腋窩リンパ節転移陽性乳がん;術前化学療法後にリンパ節転移陰性となり、センチネルリンパ節生検で転移陰性が確認された場合には、腋窩リンパ節郭清は省略可能か?

  未分類

Barrio AV, et al. JAMA Oncol. 2021. PMID: 34617979
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34617979/


・リンパ節転移陽性乳がん;ネオアジュバント(術前)化学療法+センチネルリンパ節生検後のリンパ節再発

<重要性>
・臨床的にリンパ節転移陰性でネオアジュバント(術前)化学療法(NAC, neoadjuvant chemotherapy)により治療された患者において、センチネルリンパ節生検にて3個以上のセンチネルリンパ節摘出が行われた場合の偽陰性率は10%で未満であることが前向き試験にて示されている。
・しかしながら、全例に対して腋窩リンパ節郭清術(ALND, axillary node dissection)が行われたため、このような患者においてセンチネルリンパ節生検(SLNB, sentinel lymph node biopsy)単独にて治療された場合のリンパ節再発率に関しては不明です。

<目的>
・臨床的リンパ節転移陽性(cN1)乳がん患者において、ネオアジュバント化学療法後にセンチネルリンパ節生検を施行し、転移が陰性であれば追加の腋窩手術を施行しない場合のリンパ節再発率を評価した。

<対象と方法>
・2013年11月-2019年2月、cT1-cT3、生検にて証明されたN1 乳がんで、ネオアジュバント化学療法後 cN0となった患者に対しセンチネルリンパ節生検を施行、3個以上のセンチネルリンパ節の摘出が行われ、すべて病理学的に転移が陰性であった場合には腋窩手術の追加を行わなかった。
<治療介入>
・cN1 乳がんで、ネオアジュバント画角療法後のセンチネルリンパ節生検にて3個以上のリンパ節が摘出され、それらすべてが転移陰性であった場合に腋窩リンパ節郭清を省略した。

<主要評価項目>
・cN1 乳がん患者で、ネオアジュバント化学療法後にセンチネルリンパ節生検にて治療された患者のリンパ節転移再発割合

<結果>
・610例の ネオアジュバント化学療法にて治療された cN1 乳がん患者の年齢中央値は49歳(40-58歳)
・555例(91%)で cN0となり、センチネルリンパ節生検が施行された。
・234例(42%)で3個以上、センチネルリンパ節生検で転移陰性で、センチネルリンパ節生検単独にて治療が行われた。
・年齢(中央値):49歳、腫瘍サイズ(中央値)3 cm、144例(62%)は ERBB2(HER2)陽性、43例(18%)はトリプルネガティブ乳がんであった。
・多くの患者(212例, 91%)に対してはドキソルビシンベースのネオアジュバント化学療法が施行されており、205例(88%)に対しアジュバント(術後)放射線治療が施行されており、164例(70%)に対してはリンパ節領域への照射が行われていた。
・経過観察期間(中央値)40ヶ月
・放射線治療を拒否した患者1例で、腋窩リンパ節と局所の同時再発が認められた。
・放射線治療が行われた患者(205例)では、リンパ節転移再発を認めなかった。

<結論>
・cN1 乳がんで、ネオアジュバント化学療法後 cN0の状態となり、3個以上のセンチネルリンパ節が摘出され、いずれもが病理学的に転移陰性であった場合では、センチネルリンパ節生検単独でもその後のリンパ節転移再発の頻度は低い。

LEAVE A COMMENT