悪性胸膜中皮腫に対する緩和照射

  未分類, 胸膜中皮腫

Gomez DR et al. J Thorac Oncol. 2019. PMID: 31125736

・悪性中皮腫では進行期の患者が多く、診断時に胸壁痛を認めることが多いが、疼痛の医学的なマネージメントに苦慮することも多い(1)。
・悪性中皮腫に対する緩和的な治療に放射線治療がしばしば用いられる。
・緩和照射により喀血や咳嗽/呼吸苦症状を和らげたり、脊髄圧迫を予防することも可能であるが、疼痛緩和を目的に放射線治療が行われることが最も多い。
・放射線治療は腫瘍の胸壁浸潤に伴う限局性の疼痛の治療にも有効である。
・放射線治療が開始されてから10-14日間には疼痛緩和効果は発現しない可能性があることには留意が必要である。

・ASCO expert panelにて推奨されている標準的な緩和線量レジメン(8Gy/1回、20Gy/5回、30Gy/10回)を用いることに賛同する。
・症状の奏効率を改善するため、高線量照射や1回線量の増加を考慮してもよい(2)。
・40Gy以上が照射された患者で症状の改善が良好であったとする報告がある(3)。
・189例の患者、227コースの放射線治療を遡及的に解析した研究では、1日の照射線量4Gy未満の患者と比較して、1回線量4Gy以上で治療された患者(総線量中央値 36Gy)の局所奏効率が良好であった(50% vs. 39%)(4)。
・疼痛の再発は主に照射野内から、放射線治療後3ヶ月以内に見られることが多かった(4)。

・これまでに報告されているエビデンスからは、通常多く用いられている緩和照射の線量分割である30Gy/10回よりは、1回線量4Gy以上の照射が胸壁痛の緩和には有効かもしれない。
・他に検討すべき線量分割は、8Gy/1回、30-39Gy/10-13回、20-40Gy/5-10回以上の照射など。
・定位照射技術を用いることにより、1回線量を増加し、長期の局所制御率を改善する可能性があり、局所の治療や孤立性再発の場合には有用かもしれない。

1. Simone CB 2nd et al. J Opioid Manag. 2012. PMID: 22479880
2. Ball DL et al. Am J Clin Oncol. 1990. PMID: 1689538
3. Gordon W Jr et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 1982. PMID: 6174494
4. de Graaf-Strukowska L et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 1999. PMID: 10078630

<関連>

日本肺癌学会 肺癌診療ガイドライン 2021年版 > 悪性中皮腫診療ガイドライン > 緩和治療
https://www.haigan.gr.jp/guideline/2021/2/2/210202040100.html#cq17

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