腎がん脳転移に対する定位手術的照射 -免疫チェックポイント阻害剤の同時併用は脳壊死リスクを高めるか? –

  脳転移, 腎がん

Lehrer EJ et al. Cancer. 2022. PMID: 35077586

・腎がん脳転移に対する定位手術的照射(SRS)- 免疫チェックポイント阻害剤の併用は放射線脳壊死のリスクとなるか? –


<背景>
・腎細胞がん(RCC)の脳転移患者では、免疫チェックポイント阻害剤(ICIs)と定位手術的照射(SRS)の併用により治療が行われることも多い。
・しかしながら放射線脳壊死(Radiation necrosis, RN)の発生に関するデータは限定的である。

<方法>
・放射線脳壊死(RN)の発生率を免疫チェックポイント阻害剤の同時併用(4週以内の投与)と非同時併用で比較を行った。
・単変量ロジスティック・レグレッションを用いて放射線脳壊死の発生に関連する因子を同定した。

<結果>
・50例、395脳転移病変の解析を行った。
・23例は同時併用、27例は非同時併用。
・年齢の中央値は65歳。
・辺縁線量の中央値は20Gy、4%の患者に対しては全脳照射(WBRT, whole brain radiation therapy)の既往があった。
・治療が行われた腫瘍体積の中央値は3.32 cm3(範囲 0.06-42.38 cm3)、12Gy以上が照射される正常脳の体積の中央値は8.42 cm(範囲 0.27-111.22 cm3)であった。
・放射線脳壊死(any grade)の発生率は、同時併用群 17.4%、非同時併用群 22.2%(p=0.67)であった。
・症候性の放射線脳壊死が、同時併用群 4.3%、非同時併用群 14.8%(p=0.23)に認められた。
・定位手術的照射中の腫瘍体積の増大(odds ratio 1.08, 95% CI 1.01-1.19, p=0.04)と放射線脳壊死発生との関連がみられた。
・正常脳のV12Gy(OR 1.03, 95% CI 0.99-1.06, p=0.06)、免疫チェックポイント阻害剤の同時併用(OR 0.74, 95% CI 0.17-2.30, p=0.76)、全脳照射の既往、免疫チェックポイント阻害剤と放射線脳壊死発生との関連性は統計学的有意なものではなかった。

<結論>
・腎細胞がん脳転移に対して、免疫チェックポイント阻害剤と定位手術的照射(SRS)により治療された患者において、症候性の放射線脳壊死の発生率は低いものであった。
・大半の放射線脳壊死(RN)はグレード 1-3のもので、内科的にマネージメント可能なものであった。
・免疫チェックポイント阻害剤と定位手術的照射(SRS)の同時併用により放射線脳壊死のリスクは高まらない様子。
・単回照射による定位手術的照射(SRS)においては、正常脳に対する12Gy以上照射される体積(V12)を減らすことにより、放射線脳壊死リスクを低減できるかもしれない。


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