PD-(L)1阻害薬抵抗性非小細胞肺がんに対するデュルバルマブ/トレメリムマブ(± 放射線治療)

Schoenfeld JD et al. Lancet Oncol. 2022. PMID: 35033226
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35033226/

・遠隔転移を有する非小細胞肺がん;PD-(L)1阻害薬抵抗性となった患者に対するデュルバルマブ(Durvalumab)とトレメリムマブ(Tremelimumab)併用単独治療と低線量または寡分割放射線治療の併用
・第2相ランダム化試験


<背景>
・非小細胞肺がん(NSCLC, non-small cell lung cancer)患者で、PD-1やPD-L1阻害薬に抵抗性となった患者の予後は不良である。
・これまでの研究結果から、放射線治療により抗腫瘍免疫を高めることができる可能性が示唆されている。
・PD-L1(デュルバルマブ)およびCTLA-4(トレメリムマブ)阻害薬による治療へ放射線治療を併用することによるベネフィットを調査した。

<方法>
・多施設共同第2相試験を米国18施設で行った。
・対象:18歳以上、遠隔転移を有する非小細胞肺がん、ECOG PS 0-1、PD-(L)1阻害薬投与中に病勢増悪のみられた患者。
・(1:1:1)の割合にてデュルバルマブ+トレメリムマブ単独治療群、低線量照射併用群、寡分割照射併用群にランダム化を行った。
・デュルバルマブ(1500 mg、4週ごと、最大13サイクル)、トレメリムマブ (75 mg、4週ごと、最大4サイクル)
・低線量照射:0.5 Gy、1日2回を2日間、4サイクルの各サイクルに照射。
・寡分割照射:24 Gy/3回(1回 8Gy、3回)を、デュルバルマブ/トレメリムマブ(D/T)初回投与1週後に照射。
・研究治療を1年間または病勢進行まで継続した。
・主要評価項目:全奏効率(ORR, overall response rate)および安全性。

<結果>
・2017年8月24日-2019年3月29日、90例が登録されランダム化され、このうち78例に対し治療が行われた。
・中間解析結果から、試験は無益性(futility)のため中止された。
・経過観察期間の中央値は12.4ヶ月(IQR 7.8-15.1)。
・全奏効率(ORR)に差を認めなかった;D/T単独群 3/26例(11.5%, 90% CI 1.2-21.8)、D/T+低線量照射群 2/26例(7.7%, 0.0-16.3, p=.64)、D/T+寡分割照射 3/26例 11.5%(1.2-21.8, p=0.99)。
・主なグレード3/4有害イベントは、呼吸苦(D/T単独 8%、D/T+低線量照射 12%、D/T+寡分割照射 12%)、低ナトリウム血症(D/T単独 4%、D/T+低線量照射 8%、D/T+寡分割照射 12%)。
・治療に関連した重篤な有害イベントが、D/T単独群 4%(斑状丘疹状の紅斑)、D/T+低線量照射群 19%(腹痛、下痢、呼吸苦、低カリウム決勝、呼吸不全)、D/T+寡分割照射群 15%(副腎不全、大腸炎、下痢、低ナトリウム血症)。
・低線量照射群において、治療関連性の可能性のある呼吸不全による死亡が認められた。

<結論>
・PD-(L)1阻害薬抵抗性の非小細胞肺がん患者において、デュルバルマブ/トレメリムマブによる治療へ放射線治療を追加することによる奏効の改善は認められなかった。
・しかしながら、PD-L1およびCTLA-4阻害薬による治療は、一定の患者で治療選択肢となる可能性はある。


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