食道がんに対する化学放射線療法;パクリタキセルベースレジメンの比較

  食道がん

Ai D et al. JAMA Netw Open. 2022. PMID: 35188552
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35188552/


・局所進行食道扁平上皮がんに対する化学放射線療法
・パクリタキセルベースの3レジメンの比較

<重要性>
・パクリタキセル/フルオロウラシル、パクリタキセル//シスプラチン、パクリタキセル/カルボプラチンを含む、パクリタキセルをベースとした化学放射線療法のレジメンが食道がん治療に用いられている。
・しかしながら、これらの3レジメンのうち、どのレジメンの予後が最も良好で、有害イベントが最小限であるかに関しては依然として不明である。

<目的>
・食道扁平上皮がん(ESCC, esophageal squamous cell carcinoma)に対する根治的化学放射線療法において、パクリタキセルとの併用におけるフルオロウラシル、シスプラチンおよびカルボプラチンの有効性と有害イベントを評価した。

<対象と方法>
・今回のランダム化試験は、食道扁平上皮がんを対象として、中国11施設にて行われた。
・適格患者:18ー75歳の組織学的に確認された食道扁平上皮がんで、IIA-IVA期、治療歴がなく、ECOG 2以下、臓器機能が適切な患者を対象とした。
・2015年7月-2018年2月にかけて試験が行われ、2020年8月にデータ解析のためのデータ・カットオフを行った。

<治療介入>
・局所進行食道扁平上皮がん(ESCC)患者を、(1:1:1)の割合で、パクリタキセル/フルオロウラシル群、パクリタキセル/シスプラチン群、パクリタキセル/カルボプラチン群にランダム化した。
・パクリタキセル/シスプラチン群では、2サイクルを放射線治療に同時併用し、月1回のパクリタキセル/シスプラチンによる地固め化学療法を2サイクル追加した。
・パクリタキセル/フルオロウラシル群では、6サイクルの毎週投与による化学療法を放射線治療に同時併用し、月1回のパクリタキセル/フルオロウラシルによる地固め療法を2サイクル追加した。
・パクリタキセル/カルボプラチン群では、6サイクルの毎週投与による化学療法を放射線治療に同時併用し、月1回のパクリタキセル/カルボプラチンによる地固め療法を2サイクル追加した。
・全例に対し、61.2Gy/34回の放射線治療を行った。

<評価項目>
・主要評価項目:全生存(OS, overall survival)。
・副次評価項目:無増悪生存(PFS, progression-free survival)、有害イベント

<結果>
・全体で321例(年齢中央値 64歳、男性 248例 [77.3%])がランダム化された。
・生存者の経過観察期間中央値は46.0ヶ月
・3年全生存率:パクリタキセル/フルオロウラシル群 57.2%、パクリタキセル/シスプラチン群 60.1%、パクリタキセル/カルボプラチン群 56.5%(5-FU vs. CDDP HR 1.06, 95% CI 0.71-1.60, p=0.77; 5-FU vs. CBDCA HR 0.94, 95% CI 0.63-1.40; p=.77)。
・パクリタキセル/フルオロウラシル群やパクリタキセル/カルボプラチン群と比較して、パクリタキセル/シスプラチン群でグレード3/4の好中球減少(61% vs. 18% vs. 35%, p<0.001)、血小板減少(13% vs. 4% vs. 5%, p=0.01)、貧血(47% v s. 23% vs. 35%, p=0.35)、疲労(10% vs. 2% vs. 1%, p=0.007)、嘔吐(16% vs. 3% vs. 5%, p<0.001)が多く認められた。

<結論>
・今回のランダム化試験において、食道がんに対する化学放射線療法において、パクリタキセル/シスプラチン併用やパクリタキセル/カルボプラチン併用と比較して、カルボプラチン/フルオロウラシル併用による全生存の改善効果は認められなかった。
・フルオロウラシル併用やカルボプラチン併用と比較して、シスプラチン併用群で血液毒性や消化管毒性の発生率が高かった。

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