中咽頭扁平上皮がんに対する放射線療法;治療前のリンパ球数は同時化学放射線療法のベネフィットを予測する

  中咽頭がん

Price JM et al. J Clin Oncol. 2022. PMID: 35385334
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35385334/


<目的>
・中咽頭扁平上皮がん(OPSCC, oropharyngeal squamous cell carcinoma)、治療強度を落とす(treatment de-escalation)できる患者選択法の確立が必要。
・治療開始前のリンパ球数(ALC, absolute lymphocyte count)により根治的放射線治療へ同時化学療法を追加することによる全生存(OS, overall survival)の予測が可能であるかを調査した。

<対象と方法>
・根治的放射線治療(± 化学療法)にて治療が行われた患者の観察研究で、791例を解析し、多施設にて治療された患者609例をvalidation cohortに用いた。
・主要評価項目:5年全生存割合
・副次評価項目:competing risk regressionを用いた局所領域制御(LRC, locoregional control)
・これまでに報告されている予後因子を multivariable Cox proportional hazards modelに組み入れ、予後因子としてのリンパ球数(ALC)を評価し、リンパ球数(ALC)とシスプラチンによる化学療法との相互作用を評価した。

<結果>
・多変量解析において、リンパ球数(ALC)は5年全生存の予測因子であった(HR 0.64, 95% CI 0.42-0.98, p=0.04)。
・治療前のリンパ球数(ALC)は、同時化学療法によるベネフィットも予測した(likehood ratio test, p=0.04):リンパ球数が多いほど、放射線治療治療単独と比した、シスプラチン併用に伴う5年生存改善のベネフィットは小さくなった(HR 2.53, 95% CI 1.03-6.19, p=0.043)
・これは5年までの局所領域においでも同様の影響が認められらた(interaction subdistribution HR 2.29, 95% CI 0.68-7.71, p=0.94)
・Validation cohortでの解析でも同様の結果が認められた(OS 2.53, 95% CI 0.98-6.52, p=0.055)、局所領域制御(interaction subdistribution HR 3.43, 95% CI 1.23-9.52, p=0.018)

<結論>
・中咽頭扁平上皮がん患者において、治療前のリンパ球数(ALC)は全生存の予測因子であり、放射線治療へシスプラチンを追加することによるベネフィトの予測因子でもあった。
・これらの治験は前向きに評価される必要があり、中咽頭がんに対する治療強度を低減する臨床試験での予後良好例を選択するための情報を提供できるかもしれない。

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