【CAO/ARO/AIO-12】直腸がんに対するtotal neoadjuvant therapy ー導入化学療法 vs. 地固め化学療法ー

  直腸がん

Fokas E et al. JAMA Oncol. 2022. PMID: 34792531
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34792531/

・局所進行直腸がんに対する total neoadjuvant therapy
・導入化学療法 vs. 地固め化学療法
・ランダム化比較試験、CAO/ARO/AIO-12


<重要性>
・直腸がんに対する集学的治療として total neoadjuvant therapyが行われることが増えてきている。
・Total neoadjuvant therapyにおける化学放射線療法(CRT, chemoradiotherapy)と化学療法の適切な順序を確立する必要がある。

<目的>
・第2相ランダム化試験(CAO/ARO/AIO-12試験)の副次評価項目の成績を報告すること。

<対象と方法>
・ドイツ 18施設、2015年6月-2018年1月の期間に CAO/ARO/AIO-12試験に集積された患者311例を対象として二次解析を行った。
・対象:cT3-4 および/あるいは リンパ節転移陽性の直腸腺がん
・2015年6月から2018年1月にかけてデータ解析を行った。

<介入治療>
・化学療法:フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチン、3サイクル
・化学放射線療法:フルオロウラシル/オキサリプラチン併用化学放射線療法(50.4 Gy)。
・導入化学療法群と地固め化学療法群にランダム化を行い、導入化学療法群では化学放射線療法前、地固め化学療法群では化学放射線療法後に化学療法を施行した。
・両群とも total neoadjuvant therapy開始123日後に、全直腸間膜切除術(TME, total mesorectal excision)を予定した。

<評価項目>
・今回の2次解析の評価項目は、長期の治療成績、慢性毒性、患者報告成績(global health status および QOL)、排便機能(Wexner stool incontinence score)。

<結果>
・登録された311例のうち、306例の評価が可能であった(導入化学療法群 156例、地固め化学療法群 150例)。
・経過観察期間の中央値43ヶ月(35-60ヶ月)で、3年無病生存率は両群とも73%であった(HR 0.95; 95% CI 0.63-1.45; p=0.82)。
・3年累積局所領域再発割合(6% vs. 5%; p=0.67)、遠隔再発割合(18% vs. 16%; p=0.52)にも有意差を認めなかった。
・3年時点で、グレード3-4の慢性毒性が、導入化学療法群 10/85例(11.8%)、地固め化学療法群 8/66例(9.9%)に認められた。
・General Health Status score や QOL scoreは、全直腸間膜切除術(TME)後に低下が認められたものの、ランダム化から1年経過時点では治療前のレベルまで改善し、導入化学療法群と地固め化学療法群に差異を認めなかった。
・ランダム化1年後、便失禁(stool incontinence)には両群とも悪化が認められ、3年時点で若干の改善が認められたものの、治療前のレベルまでの改善は認められなかった。

<結論>
・今回の2次解析結果から、局所進行直腸がんに対する化学放射線療法後に化学療法を行うことにより、病理学的完全奏効割合は上昇し、無病生存や毒性、生活の質(QOL)や便失禁を悪化させることはなかった。
・もし直腸の臓器温存を優先させる場合、化学放射線療法後の地固め化学療法が total neoadjuvant therapyの順序として好ましい。


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