食道がんに対するネオアジュバント化学放射線療法後の臨床的完全奏効例;根治的化学放射線療法 vs. 外科手術

  食道がん

Qian D et al. Radiother Oncol. 2022. PMID: 35764191
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35764191/

・食道扁平上皮がんに対する導入化学放射線療法完全奏効例
・根治的化学放射線療法 vs. ネオアジュバント化学放射線療法+外科手術
・第2相ランダム化試験、中国


<背景と目的>
・食道扁平上皮がん(ESCC, esophageal squamous cell carcinoma)患者では、ネオアジュバント化学放射線療法(nCRT, neoadjuvant chemoraidotherapy)により40%以上の患者で病理学的完全奏効(pCR, pathological complete response)が得られる。
・理論的にはこれらの患者では化学放射線療法により治癒が得られ、手術を避けることが可能。
・今回の前向きランダム化試験では、ネオアジュバント化学放射線療法(nCRT)により臨床的完全奏効(cCR, clinical complete response)が得られた患者において、根治的化学放射線療法(dCRT, definitive chemoradiotherapy)とネオアジュバント化学放射線療法+手術(nCRT+手術)を比較した。

<対象と方法>
・今回の単施設第2相ランダム化試験では、2016年4月から2018年11月の期間に、局所進行食道扁平上皮がん(ESCC)256例を登録した。
・ネオアジュバント化学放射線療法(nCRT)終了後速やかに(1週間以内)に治療の奏効を評価した。
・臨床的完全奏効(cCR)が得られた患者を、外科手術を施行する群(ネオアジュバント化学放射線療法+手術群)と根治線量まで化学放射線療法を完遂する群(根治的化学放射線療法群)にランダム化した。
・主要評価項目:3年無病生存(DFS, disease-free survival)。

<結果>
・最終的に71例がランダム化された(ネオアジュバント化学放射線療法+手術群 36例、根治的化学放射線療法群 35例)
・経過観察期間の中央値は35.7ヶ月。
・3年無病生存率は、ネオアジュバント化学放射線療法+手術群 56.43%、根治的化学放射線療法群 54.73%(HR 0.862, 95% CI 0.452-1.6545, p=0.652)。
・3年全生存率は、ネオアジュバント化学放射線療法+手術群 65.9%、根治的化学放射線療法群 62.3%(HR 0.824, 95% CI 0.403-1.688, p=0.597)。

<結論>
・ネオアジュバント化学放射線療法終了時に臨床的完全奏効が得られた食道扁平上皮がん患者では、ネオアジュバント化学放射線療法+手術と根治的化学放射線療法後の生存成績には明らかな差を認めなかった。
・ネオアジュバント化学放射線療法直後に適切に奏効を評価することは、局所進行食道扁平上皮がんの次の治療法の決定するために有用である様子。


LEAVE A COMMENT