80歳以上の高齢者の食道がんに対する放射線治療へ化学療法を追加することによるベネフィットは存在するか? ー SEER database 解析 ー

  食道がん

Jingu K et al. Esophagus. 2022. PMID: 35779138
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35779138/

・高齢者(80歳以上)の食道がんに対する化学放射線療法
・SEER database 解析


<目的>
・SEER(Surveillance, Epidemiology, and End Results)データベースを用いて、80歳以上のアジア人の食道がん患者に対する同時化学放射線療法のベネフィットを評価すること。

<対象と方法>
・食道扁平上皮がん/腺がんに対して、手術を施行せず、放射線治療により治療が行われた7000例以上の患者のうち、80歳以上の2,047例を解析した。
・化学放射線療法が行われた患者(CRT群)と放射線治療単独が行われた患者(RT alone群)を propensity score を用いてマッチングを行った。

<結果>
・生存例の経過観察期間の中央値は57ヶ月。
・全生存率は、3年 15.2%、5年 8.5%。
・がん特異的生存率は、3年 20.8%、5年 14.5%。
・Propensity score matching後の比較において、放射線治療単独群(RT alone群)と比較して、化学放射線療法群(CRT群)の生存成績が良好であった(5年全生存率 11.9% vs. 3.2%, p<0.001)。
・アジアまたは太平洋諸島の患者 108例において、化学放射線療法群(CRT群)と放射線治療単独群(RT alone群)の全生存に有意差を認めなかった(5年全生存率 13.5% vs. 0%, p=0.291)。
・一方、その他の人種では、化学放射線療法群(CRT群)の全生存成績が良好であった。

<結論>
・今回のSEER databaseの解析に基づくと、80歳以上のアジア/太平洋諸島の食道がん患者では、化学放射線療法によるベネフィットがあるかに関しては議論が残る結果であった。


<関連>
食道がん>高齢者>化学放射線療法


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