がん抑制遺伝子TP53遺伝子病的変異乳がんの対側乳房内再発/対側乳がん発生リスク

  乳がん

Guo Y et al. Breast. 2022. PMID: 35820297
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35820297/

・がん抑制遺伝子のTP53の病的変異陽性乳がん患者の同側腫瘍再発/対側乳がん


<背景>
・乳がん患者におけるがん抑制遺伝子であるTP53の病的変異と局所再発リスクや対側乳がん発生リスクに関しては不明な点が多い。

<対象と方法>
・2003年11月-2018年3月に登録された患者コホート(11,093例)を対象として解析を行った。
・全例でTP53遺伝子バリアントの評価が行われた。

<結果>
・41例(0.37%)にTP53遺伝子の病的変異が認められ、11,052例(99.63%)ではTP53遺伝子の病的変異は認められなかった。
・TP53病的変異陽性例19例(46.3%)、TP53病的変異陰性例 4,173例(37.8%)に対し乳房温存療法(BCT)が行われ、それ以外の患者に対しては乳房切除術が行われていた。
・経過観察期間の中央値 6.7年、乳房温存療法が行われた患者において、TP53病的遺伝子変異陽性例では、TP53病的遺伝子変異陰性例と比較して、同側乳房腫瘍再発率(IBTR)が有意に高かった(21.1% vs. 3.8%, p=0.006)。
・乳房切除術が行われた患者を比較した場合、TP53の病的遺伝子変異の有無による同側乳房内再発率(IBTR)に有意差を認めなかった(0.0% vs. 2.6%, p=1.0)。
・TP53遺伝子の病的変異陽性例において、乳房切除術が行われた患者と比較して、乳房温存療法(BCT)後の同側乳房内再発率(IBTR)が高かった(21.1% vs. 0.0%, p=0.038)。
・TP53遺伝子の病的遺伝子変異陰性群と比較して、TP53遺伝子の病的変異陽性例で、10年対側乳がん発生率が有意に高かった(17.9% vs. 3.6%, HR 7.0, 95% CI 3.3-14.9, p<0.001)。

<結論>
・TP53遺伝子の病的変異陽性例では、乳房温存療法後の同側乳房内再発リスクが高く、対側乳がんの発生リスクも高かった。
・TP53遺伝子の病的遺伝子変異が陽性の患者では乳房温存療法は適さず、予防的な対側乳房切除も考慮してもよいかもしれない。


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