内胸(胸骨傍)リンパ節転移陽性乳がんに対する集学的治療(ネオアジュバント化学療法、乳房手術、術後放射線治療)

  乳がん

Kim H et al. Breast. 2021. PMID: 33422790
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33422790/

・内胸(胸骨傍)リンパ節転移陽性乳がん
・ネオアジュバント化学療法と乳房手術後の放射線治療


<目的>
・内胸(胸骨傍)リンパ節転移陽性乳がんに対するネオアジュバント化学療法と乳房手術後の放射線治療施行例の治療成績と予後因子を検討。

<対象と方法>
・2009年-2013年、9施設において、内胸(胸骨傍)リンパ節転移陽性の乳がんに対し、ネオアジュバント化学療法、乳房手術、術後放射線治療が行われた193例をレビュー。
・ネオアジュバント化学療法後に乳房温存手術/乳房全摘術が行われた。
・放射線治療は、全乳房/胸壁および領域リンパ節へ照射が行われた。
・内胸(胸骨傍)リンパ節を含めた放射線治療が92.2%の患者で行われており、照射線量の中央値は58.4 Gy(範囲: 44.9-69.1 Gy)であった。
・全生存(OS)、無病生存(DFS)、内胸(胸骨傍)リンパ節無再発生存(IMN-FFS)を解析した。

<結果>
・経過観察期間の中央値71ヶ月で、9例(4.7%)に内胸(胸骨傍)リンパ節再発が認められ、同時に全例で遠隔転移再発が認められた。
・5年無病生存率は68.6%、5年全生存率は81.8%。
・5年内胸(胸骨傍)リンパ節無再発生存率は95.3%であった。
・トリプル・ネガティブ以外の乳がん、Ki-67%(10%以下)、原発巣および腋窩リンパ節の病理学的完全奏効(pCR)、ネオアジュバント化学療法後の内胸(胸骨傍)リンパ節の画像的な完全奏効が良好な無病生存の予測因子であった。
・内胸(胸骨傍)リンパ節への照射線量と無病生存との有意な関連性は認められなかった。
・5年無病生存率は、内胸(胸骨傍)リンパ節への照射線量 50 Gy以下の患者群で86.7%、>50 Gyの患者群で76.7%(p=0.41)であった。

<結論>
・内胸(胸骨傍)リンパ節転移陽性の乳がんに対する、ネオアジュバント化学療法、乳房手術、術後放射線治療による集学的な治療は有効。
・内胸(胸骨傍)リンパ節への放射線治療を行う場合、内胸(胸骨傍)リンパ節郭清を行わなかった場合でも、大半の患者は内胸(胸骨傍)リンパ節からの再発は認められなかった。


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