限局期濾胞性リンパ腫 ー 初期治療における放射線治療の重要性 ー

  濾胞性リンパ腫

Pugh TJ et al. Cancer. 2010. PMID: 20564102
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20564102/

・早期低グレード濾胞性リンパ腫に対する放射線治療


<背景>
・I期-II期、グレード 1-2、濾胞性リンパ腫に対する標準治療は外部照射(EBRT)。
・低悪性度の病変であることから、経過観察(WW, watchful waiting)を含め、他の代替マネージメント法がある。
・これまでのところ、放射線治療の有無による治療成績を比較したランダム化比較試験は報告されていない。

<対象と方法>
・SEERデータベースより、1973年から2004年にI期-II期、グレード1-2、濾胞性リンパ腫と診断された成人のデータを抽出した。
・抽出したデータは年齢、性別、人種、病期、節外病変、診断から1年以内の放射線治療の施行。
・全生存(OS)、疾患特異的生存(DSS)を解析した。

<結果>
・6,568例が同定された。
・放射線治療施行例の疾患特異的生存率は、5年 90%、10年 79%、15年 68%、20年 63%。
・放射線治療非施行例の疾患特異的生存率は、5年 81%、10年 66%、15年 57%、20年 51%。
・放射線治療非施行群と比較した放射線治療施行群の疾患特異的生存のハザード比は0.61(95% CI 0.55-0.68, p<0.0001)。
・放射線治療施行例の全生存率は、5年 81%、10年 62%、15年 45%、15年 35%。
・放射線治療非施行例の全生存率は、5年 71%、10年 48%、15年 34%、15年 23%。
・放射線治療非施行群と比較した放射線治療施行群のハザード比は0.68(95% CI 0.63-0.73, p<0.0001)。
・多変量解析にて、診断後1年以内の放射線治療の施行は良好な疾患特異的生存(HR 0.65, p<0.0001)および 良好な全生存(HR 0.73, p<0.0001)と相関していた。
・リンパ腫が主な死亡原因であった(52%)。
・診断後1年以内に放射線治療が行われた患者はわずか34%にとどまっていた。

<結論>
・限局性濾胞性リンパ腫(FL)に対する早期の放射線治療の施行と良好な疾患特異的生存や全生存と有意に相関しており、放射線治療による生存成績の改善効果は長期間維持されていた。
・経過観察/待機療法を行い病勢増悪/再発がみられた際に救済治療を行うという治療方針は、不十分な初期治療を保障できない可能性が示唆された。
・早期、低グレードの濾胞性リンパ腫に対する標準治療は外部照射/放射線治療ではあるものの、米国で初期治療として放射線治療が行われた患者の割合は低く、今後は初期治療に放射線治療を行うことによりより多くの患者のリンパ腫による死亡を予防できるであろう。


Pugh TJ et al. Cancer. 2010. PMID: 20564102

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