脳転移を有する小細胞肺がんに対する抗PD-1阻害剤と放射線治療の併用

  小細胞肺がん, 脳転移

Ma J et al. J Neurooncol. 2022. PMID: 35976547
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35976547/

・脳転移を有する進展型小細胞肺がんに対する抗PD-L1阻害剤と放射線治療の併用


<背景>
・CASPIAN試験およびIMpower133試験の結果から、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)においては抗PD-L1阻害剤が第一選択治療となった。
・小細胞肺がん(SCLC)では脳転移(BM)の発生割合が高く、放射線治療(RT)が主な局所治療となっているが、放射線治療と免疫療法の併用に関するデータは乏しい。
・今回の後ろ向き研究の目的は、脳転移を有する進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)に対する抗PD-L1阻害剤と放射線治療の併用の有効性と安全性を評価すること。

<対象と方法>
・2017年から2021年に新規に診断された進展型小細胞肺がん患者のうち脳転移を有していた患者を選択した。
・患者を抗PD-L1阻害剤と放射線治療の併用が行われた群と放射線治療単独により治療が行われた群に分け解析を行った。
・両群の白質脳症(leukoencephalopathy)に関する評価も行った。

<結果>
・合計46例の患者が選択された。
・15例は抗PD-L1阻害剤と放射線治療の併用が行われており、31例は放射線治療のみが行われていた。
・全生存期間(OS)の中央値は、抗PD-L1阻害剤と放射線治療が行われた患者群では未到達、放射線治療単独で治療された患者では15.9ヶ月(p=0.172)であった。
・無増悪生存(PFS)は、抗PD-L1阻害剤と放射線治療の併用が行われた患者で良好であったが、統計学的有意なものではなかった(無増悪生存期間の中央値 9.4ヶ月 vs. 7.4ヶ月, p=0.362)。
・頭蓋内の無増悪生存は、抗PD-L1阻害剤と放射線治療の併用による改善は認められなかった(頭蓋内病変の無増悪生存期間の中央値 8.2ヶ月 vs. 8.9ヶ月, p=0.620)。
・客観的奏効割合(ORR)は、抗PD-L1阻害剤と放射線治療の併用群で73.3%、放射線治療単独群で77.4%(p=0.949)、病勢制御割合は両群とも100%であった。
・頭蓋内病への客観的奏効割合は53.3% vs. 71.0%(p=0.239)、病勢制御割合は73.3% vs. 80.7%(p=0.855)。
・両群間に白質脳症の発生頻度に差異を認めなかった。

<結論>脳転移を有する小細胞肺がんにおいて、抗PD-1阻害剤と放射線治療による生存成績の改善効果は確認できなかったが、神経毒性の増加も認められなかった。


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