乳がん>内胸リンパ節照射

 

乳がん>内胸リンパ節照射


Kim YB, et al. JAMA Oncol. 2021. PMID: 34695841

・リンパ節転移陽性乳がんに対する術後放射線治療;内胸リンパ節(IMN, internal mammary node)への予防照射の無病生存への影響
・第3相ランダム化試験、韓国
・重要性:リンパ節転移陽性乳がん患者において、内胸リンパ節への照射の治療成績におけるベネフィットは不明。
・目的:リンパ節転移陽性乳がん患者の術後放射線治療の際に、内胸リンパ節を領域リンパ節照射に含めることにより、無病生存(DFS, disease-free survival)を改善するか評価した。
・対象と方法:多施設共同、第3相ランダム化試験;2008年6月-2020年2月、韓国13施設にて行われた。
・適格基準:病理学的に確認された、リンパ節転移陽性乳がん、乳房温存手術 / 乳房切除術+腋窩リンパ節郭清施行例。
・2008年11月-2013年1月に患者を登録した。
・遠隔転移を有する患者やネオアジュバント(術前)治療が行われた患者は除外した。
・介入治療:全例に対し、残存乳房 / 胸壁 および 領域リンパ節に対し放射線治療を施行した。(1:1)の割合で、内胸リンパ節へも照射する群(IMNI+)と内胸リンパ節へは照射しない群(IMNI-)にランダム化した。
・主要評価項目:7年無病生存割合。
・副次評価項目:全生存、乳がん特異的生存、毒性。
・結果:735例が解析に組み入れられ、平均年齢は49.0歳であった。
・373例に対しては内胸リンパ節に対し照射を行わず、362例に対しては内胸リンパ節に対し照射を行った。
・大半の患者に対してタキサンベースのアジュバント(術後)化学療法が施行された。
・経過観察期間(中央値)100.4ヶ月。
・7年無病生存割合に両群間に有意差を認めなかった(IMNI- 81.9%、IMNI+に 85.3%, HR 0.80, 95% CI 0.57-1.14, log-rank p=0.22)
・事後解析のサブグループ解析において、中央/内側に存在する主要の患者では、内胸リンパ節へ照射をした患者で無病生存が良好であった(7年無病生存割合 IMNI- 81.6%、IMNI+ 91.8%)(HR 0.42, 95% CI 0.22-0.82, log-rank p=0.008)
・中央 / 内側に腫瘍が存在した患者では、内胸リンパ節へ照射した患者で、7年乳がん死亡率が低かった(IMNI- 4.9%、IMNI+ 10.2%)(HR 0.41, 95% CI 0.17-0.99, log-rank p=0.04)
・有害効果は両群間に有意差を認めず、心毒性効果や放射線肺臓炎も明らかな差を認めなかった。
<結論>リンパ節転移陽性乳がんに対する術後放射線治療において、内胸リンパ節へ照射を行うことによる無病生存の有意な改善効果は認められなかった。しかしながら、中央 / 内側部の腫瘍の患者では、内胸リンパ節へも放射線治療を行うことによるベネフィットが存在する可能性がある。


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