乳がん>有害事象>心毒性

 

乳がん>有害事象>心毒性


Review


van Velzen SGM, et al. Int J Radiat Oncol BIol Phys. 2021. PMID: 34624460

・乳がんに対する放射線治療後の心疾患(heart disease)
・後ろ向き研究、オランダ
・目的:心臓への照射線量と心疾患リスクとの関連性があるか、冠動脈の石灰化による影響があるかに関し調査すること。
・対象:5561例の患者から、放射線治療計画用CT画像と線量分布マップを集め、不適格例や重複しているものを除外し、5300例を解析した。
・1,899例は2011年以前にCTが撮像されており、長期経過観察が可能であった。
・冠動脈の石灰化(CAC, coronary artery calcification)は自動的に検出した。
・人工知能ベースの方法(artifical-intelligence-based method)を用いて、心臓の構造(心臓、寝室、大血管、冠動脈)をセグメント化した。
・放射線の照射線量をそれぞれの構造ごとに分けて評価した。
・各構造への照射線量により、低線量群、中線量群、高線量群に分けて比較を行った。
・患者ごとに心疾患による入院および死亡に関するデータを集積した。
・長期経過観察群において、冠動脈に石灰化を認める患者、認めない患者における心臓の構造への照射線量と心疾患との関連性を調査した。
・結果:長期経過観察群の経過観察群(中央値)96.0ヶ月。
・135例が心疾患により入院を要したか死亡していた。
・心臓構造への照射線量が1 Gy増加するごとに心疾患リスクは 3%~11%増加した。
・冠動脈に石灰化を認めない患者群と比較して、石灰化が認められる患者で心疾患リスクの上昇が大きかった。
・冠動脈に石灰化なし;心疾患イベント 低線量群 6-8 /1000人年、高線量群 5-17 /1000人年
・冠動脈に石灰化あり;心疾患イベント 高線量群 14-15 / 1000人年、高線量群 15-34 / 1000人年
・冠動脈の石灰化と放射線治療の照射線量の相互作用は認められなかった。
<結論>心構造への照射線量と心疾患リスク上昇との関連性が認められた。心構造の自動セグメント化により局所の線量の評価が可能となり、放射線治療に伴う心障害を予防することが可能となるかもしれない。これは特に冠動脈に石灰化が認められる患者で価値があるものと思われる。


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