乳がん>遺伝子変異>BRCA

 

乳がん>遺伝子変異>BRCA


Nara M et al. Breast Cancer. 2022. PMID: 35212965 (記事

・BRCA変異陽性乳がんでは、乳房温存手術と術後放射線治療後の同側乳房内腫瘍再発は増加するか?
・システマティックレビュー/メタアナリシス
・13研究を組み入れ、BRCA変異陽性例 701例、コントロール 4,788例を解析。
・メタアナリシスにおいて、コントロール群と比較して、BRCA陽性患者では同側乳房腫瘍再発のリスク上昇が認められた(RR 1.589, 95% CI 1.247-2.024, p<0.001)。
・サブグループ解析において、経過観察期間が長いほど、BRCA陽性患者の同側乳房腫瘍再発(IBRT)リスクの上昇が認められた(経過観察期間 7年以上 RR 1.505, 95% CI 1.184-1.913, 10年以上 RR 1.601, 95% CI 1.201-2.132)。
・しかしながら全生存の解析では、乳房温存手術が行われた患者の全生存の悪化を示唆する結果は認められなかった。
<結論>今回の研究結果からは、BRCA変異陽性患者では、乳房温存手術後の同側乳房腫瘍再発(IBTR)リスクが高いことが示され、このリスクの上昇は長期間にわたり持続し、経過観察期間が長くなるにつれその差がはっきり現れることが示された。

Chapman BV, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2021. PMID: 34610390

・BRCA1/2変異陽性乳がんに対する放射線治療後の治療成績
・後ろ向きコホート研究、米国
・背景:非臨床研究において、BRCA 1/2変異では放射線感受性が示されているが、BRCA 1/2変異のある患者と変異のない患者の、臨床的な放射線治療後の治療成績差に関しては不明です。
・方法:I-III期乳がんに対し根治手術と術後放射線治療にて治療され、BRCA 1/2遺伝子の評価を行った患者を後ろ向きに解析した。
・局所領域再発、疾患特異的死亡、二次がんを、BRCA 1/2変異陽性の有無により比較した。
・結果:2213例の患者にBRCA 1/2検査が施行された。
・63%は白人、13.6%はアフリカ系アメリカ人、17.6%はラテン系アメリカ人、5.8%はアジア系/ネイティブ・アメリカン/アラスカ先住民族であった。
・124例がBRCA 1変異陽性、100例がBRCA 2変異陽性であった。
・1394例(63%)に対しては領域リンパ節へ照射が行われていた。
・経過観察期間(中央値):7.4年(95% CI 7.1-7.7年)
・BRCA 1/2変異陽性群 と 変異のない患者群の比較において、局所領域再発や疾患特異的死亡に有意差を認めなかった。
・局所領域再発割合:BRCA 1/2変異陽性 11.6%、変異なし 6.6%, p=0.466
・疾患特異的死亡割合:BRCA 1/2変異陽性 12.3%、変異なし 13.8%, p=0.716
・多変量解析にて、BRCA 1/2変異と局所領域再発や疾患特異的死亡との関連性を認めなかった。
・白人と比較して、アフリカ系アメリカ人やアジア人/ネイティブ・アメリカン/アラスカ先住民族では局所領域再発リスクが高かった。
・白人と比較して、アフリカ系アメリカ人では疾患特異的死亡リスクが高かった(p=0.004)。
・BRCA 1/2変異陽性群において、照射野外、乳がん以外の二次がんの発生は観察されなかった。
・BRCA 1/2変異陽性群において、放射線治療関連毒性(Grade 3+)発生割合は、急性期 12例(5.4%)、晩期 1例(0.4%)
<結論>BRCA 1/2変異陽性乳がんに対する放射線治療後の治療成績は、変異のない患者群と比較して同様のものであった。
・BRCA 1/2変異陽性例に対しても標準的な治療適応に準じて、放射線治療を行うことが推奨される。


<< 乳がん>遺伝子変異