併用薬剤>PARP阻害剤>脳転移

 

併用薬剤>PARP阻害剤>脳転移


Santos P, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2021. PMID: 34701857

・BRCA遺伝子変異陽性のがんの脳転移に対する放射線治療とPARP阻害剤の併用
・目的:BRCA遺伝子変異陽性のがん患者では、脳転移に対する放射線治療と同時あるいは放射線治療後にPARP(poly [ADP-ribose] polymerase)阻害剤を併用することにより頭蓋内再発を遅らせることが可能かを評価した。
・対象と方法:2010-2020年、BRCA遺伝子変異陽性のがんの脳転移に対し全脳照射(30Gy/10回)または定位手術的照射(SRS, 21-27Gy/1-3回)照射例を同定した。
・33例のうち、12例はPARP阻害剤投与中に何らかの増悪が認められ除外、6例は放射線治療とアジュバントPARP阻害剤投与の間隔が>2ヶ月であったために除外した。
・患者をPARP阻害剤の投与と放射線治療のタイミングにより患者のグループ分けを行った;1)放射線治療前よりPARP投与が行われ、その後もPARP阻害剤投与継続(同時併用群)、2)放射線治療後にPARP阻害剤投与開始(アジュバント群)
・主要評価項目:頭蓋内無増悪生存、全生存
・副次評価項目:毒性
・結果:15例の患者が適格基準を満たした(女性 12例、男性 3例)
・KPS(Karnofsky performance status)(中央値)は 80(70-90)
・放射線治療施行時の年齢(中央値)は50歳(32-76歳)
・経過観察期間(中央値)10.9ヶ月(3.1-27.8ヶ月)
・63%(10例)は乳がん、87%(13例)に対してはオラパリブ(Olaparib)の投与が行われていた。
・同時併用された8例のうち、定位手術的照射が5例、全脳照射が3例に行われていた。
・頭蓋内無増悪生存期間(中央値)5.7ヶ月、全生存期間(中央値)10.4ヶ月
・放射線治療後にPARP阻害剤が投与された患者(アジュバント群)7例において、4例に対して定位手術的照射(SRS)、3例に対し全脳照射が行われていた。
・頭蓋内無増悪生存期間(中央値)9.9ヶ月、全生存期間(中央値)10.9ヶ月。
・放射線治療終了からPARP阻害剤投与開始までの期間(中央値)は2週間であった。
・組織学的にBrain GPAの評価が可能であった10例において、90%で予測される生存期間(中央値)を超えて生存していた。
・放射線脳壊死を含め、Grade 3+毒性の発生は認められなかった。
<結論>BRCA遺伝子変異陽性患者において、脳転移に対する放射線治療とPARP阻害剤の同時/逐次併用は施行可能で安全であった。一部の患者では比較的長期の頭蓋内無増悪生存が得られており、放射線治療とその後のPARP阻害剤の投与におり感受性の増加の可能性が示唆される。大規模コホートにおける前向き研究により放射線治療とPARP阻害剤との適切な併用タイミングの決定が必要。


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