前立腺がん>寡分割照射>vs. 通常分割照射>有害事象>急性期

 

前立腺がん>寡分割照射>vs. 通常分割照射>有害事象>急性期


【HYPRO trial】 Sinzabakira F, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2021. PMID: 34740766

・前立腺がんに対する寡分割照射における急性期の患者報告成績(PRO, patient-reported outcome)
・HYPRO trial試験登録例の解析
・目的:前立腺がんに対する放射線治療の急性期においては、消化管毒性や膀胱毒性を経験することが多い。
・最近の報告において、寡分割照射では急性期反応を増加させる可能性が示唆されているが、患者報告成績(PRO)に関する知見は未だ乏しい。
・HYPRO試験にて登録された患者において、寡分割照射および通常分割照射により治療が行われた患者の急性期の患者報告成績(PRO)を評価した。
・対象と方法:HYPRO試験においては、寡分割照射(64.4Gy/19回、週3回照射)と通常分割照射(78Gy/39回、週5回照射)の比較が行われた。
・寡分割照射の急性期毒性(α/β ratio = 10)のNTD2Gyは72.1Gy、10.2Gy/週。
・Grade 2+毒性評価が可能であった794例のうち、717例で1つ以上の症状質問表(symptom questionnaires)が得られた。
・各症状に関して、”何らかの訴え、any complaint” および “中等度-高度の訴え、moderate-severe complaint”によりスコアリングを行った。
・差異をChi-square testにより比較を行い、logistic regressionを用いて臨床因子との関連性を評価した。
・結果:通常分割照射と比較して、寡分割照射で急性期反応の増加が認められた。
・中等度-高度の排便時疼痛(moderate-severe painful defecation)(寡分割照射 10.8%、通常分割照射 5.3%)、何らかの粘液排出(寡分割照射 47.1%、通常分割照射 37.4%)、何らかの血便(寡分割照射 16.1%、通常分割照射 9.3%)、毎日の排便回数増加 4回以上(寡分割照射 34.6%、通常分割照射 25.6%)、6回以上(寡分割照射 13.8%、通常分割照射 7.0%)、何らかの排尿困難(urinary straining)(寡分割照射 69.9%、通常分割照射 58.0%)
・放射線治療3ヶ月後時点で、寡分割照射と通常分割照射の発生率は同レベルのものとなった。
・ホルモン療法の施行と急性期の消化管症状発生の減少との関連がみられた。
<結論>従来、寡分割照射により急性期のGrade 2+の直腸毒性が増加することが報告されていたが、今回の患者報告成績(PRO)の評価でも同様の結果が確認された。以前の報告では膀胱症状の増加は同定されていなかった。これらの観察結果はNTD2Gyの計算結果との矛盾が認められた。急性期以降に症状が持続するパターンは観察されず、寡分割照射の忍容性は良好で、一過性の症状の増加と関連していた。


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