前立腺がん>陽子線治療>後ろ向き研究

 

前立腺がん>陽子線治療>後ろ向き研究


Takagi M, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2021. PMID: 33186616

・目的:議論は依然としてあるものの、限局性前立腺がんに対する治療として陽子線が過去20年間にわたり用いられてきた。
・今回の研究の目的は限局性前立腺がんに対する陽子線治療の長期の有効性と毒性を評価すること。
対象と方法:単施設、後ろ向き研究。
・対象:2003年-2014年、前立腺がんに対し陽子線治療施行例。
・NCCN(Nationa Comprehensivel Cancer Network)guidelines, version 4.2019に基づき、リスク分類を行った。
・98%の患者に対しては74Gy(RBE)/37回の照射が行われていた。
・51%の患者に対してネオアジュバントホルモン療法(アンドロゲン抑制療法)、6%の患者に対してアジュバントホルモン療法(アンドロゲン抑制療法)が行われていた。
・生化学的(PSA)非再発率(FFBR, freedom from biochemical relapse)、晩期毒性発生率(time to late toxicity)(NCI-CTCAE ver.4.0)
・Kaplan-Meier法を用いて治療成績を評価し、multivariable Cox proportional hazards modelsを用いた解析を行った。
・結果:経過観察期間(中央値)84ヶ月(IQR 60-110ヶ月)
・生化学的(PSA)非再発率(超低リスク):5年 100%、10年 100%。
・生化学的(PSA)非再発率(低リスク):5年 99%、10年 88%。
・生化学的(PSA)非再発率(FIR, favorable intermediate risk):5年 93%、10年 86%
・生化学的(PSA)非再発率(UIR, unfavorable intermediate risk):5年 90%、10年 79%
・生化学的(PSA)非再発率(高リスク):5年 88%、10年 68%
・生化学的(PSA)非再発率(超高リスク):5年 76%、10年 63%
・より高リスクな患者ほど短期間の生化学的(PSA)再発のリスクが高かった。
・5年晩期毒性(Grade 2+)発生率:尿路毒性 2.2%、消化管毒性 4.0%。
・多変量解析にて、若年者で生化学的(PSA)再発リスクが高いことが示された。
<結論>今回の研究では進行性の限局性前立腺がんに対しても陽子線治療後の生化学的(PSA)制御は良好で、晩期毒性の発生率は低かった。今回の研究結果からは、前向き臨床研究を行うことが支持される。NCCN(National Comprehensive Cancer Network guidelines, version 4.2019)によるリスク分類は限局性前立腺がん患者のクラス分けに有用であった。今回の研究の治験からは、患者の年齢を考慮した治療戦略を検討する必要性が示唆された。


<< 前立腺がん>陽子線治療