直腸がん>術前化学放射線療法>好中球-リンパ球比

 

直腸がん>術前化学放射線療法>好中球-リンパ球比


Yang G, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2021. PMID: 34701978

・局所進行直腸がんにおける好中球-リンパ球比(NLR, neutrophil-to-lymphocyte ratio)
・放射線治療の線量分割、照射法 および 遠隔転移との関連性
・後ろ向き研究、米国
・目的:局所進行がんにおける好中球-リンパ球比(NLR)の予後への影響を調査した。
・対象と方法:2006-2019年、局所進行直腸がんに対し、化学療法を同時または逐次併用による術前(ネオアジュバント)化学放射線療法が施行された1366例を解析した。
・大半の患者(97.8%)では長期コース(50-50.4Gy/25-28回)の照射を3次元原体照射(851例)または トモセラピー(tomotherapy)(504例)により照射が行われていた。
・短期照射(25Gy/5回)とその後のXELOX療法が30例に対し行われていた。
・診断時、術前放射線治療開始前、開始期間中、手術前の時点での好中球-リンパ球比(NLR)を評価した。
・主要評価項目:遠隔無再発生存(DMFS, distant metastasis-free survival)
・結果:経過観察期間(中央値)61.3ヶ月(4.1-173.7ヶ月)
・5年遠隔無再発生存率:80.1%。
・放射線治療後の好中球-リンパ球比(NLR)は5年遠隔無再発生存率と有意に関連していたが、放射線治療開始前の好中球-リンパ球比(NLR)との有意な関連は認められなかった。
・Cox multivariate modelにおいて、進行icT病期、ypT病期、ypN病期と共に、放射線治療後の好中球-リンパ球比(NLR)>4が不良な遠隔無再発生存と関連していた(HR 1.37, 95% CI 1.08-1.73)
・5年全生存割合(放射線治療後のNLR >4.0 vs. 4.0以下)83.2% vs. 94.4%(p<0.001)
・長期放射線治療後(OR 2.77, p=.032)やヘリカル・トモセラピー(helical tomotherapy)による治療が行われた患者(OR 1.29, p<0.001)では、放射線治療後の好中球-リンパ球比高値(>4)となるリスクが高かった。
・好中球-リンパ球比(NLR)と局所再発リスクや病理学的完全奏効割合、neoadjuvant rectal scoreに有意差を認めなかった。
<結論>局所進行直腸がんにおいて、術前(化学)放射線療法後の好中球-リンパ球比(NLR)の上昇は遠隔転移リスクの上昇や不良な全生存と関連していた。放射線治療後の好中球-リンパ球比高値は、放射線治療の線量分割や照射法と直接的に関連していた。3次元原体照射や骨髄回避強度変調放射線治療による短期照射により、好中球-リンパ球比の上昇を避けることにより、間接的に遠隔無再発生存に影響を与える可能性があるため、今後さらなる研究が必要。


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