肝細胞がん>体幹部定位放射線治療>後ろ向き研究

 

肝細胞がん>体幹部定位放射線治療>後ろ向き研究


Stephens SJ, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2021. PMID: 34701968

・外科的切除不能肝細胞がん(HCC, hepatocellular carcinoma)に対する寡分割照射
・後ろ向き研究、米国
・目的:肝細胞がんで、外科的切除や肝移植を行わない場合の標準治療は確立されていない。
・体幹部定位放射線治療(SBRT, stereotactic body radiation therapy)や画像誘導下寡分割照射(HIGRT)が非侵襲的な治療選択肢として用いられることが増加してきている。
・対象と方法:2013-2019年、外科的切除不能で遠隔転移のない肝細胞がんに対し、体幹部定位放射線治療/寡分割照射により治療を行った患者を後ろ向きに解析した。
・評価項目:局所無増悪生存、無増悪生存、全生存、治療に関連した毒性
・結果:149例を解析し、照射線量(中央値)50Gy/5回
・172コースの治療を解析(21例では1コース以上の放射線治療が行われており、19例は2コース、2例は3コースの放射線治療が行われていた)
・再治療のうち22コースは照射歴のない病変に対する治療で、1コースは局所増悪を認めた病変に対する再照射であった。
・69%の患者はChild-Pugh A、89%は治療前のALBI grade 1-2であった。
・大半の患者(59%)では孤立性の病変で、腫瘍サイズ(中央値)は2.7 cm。
・57%の患者に対しては生物学的有効線量(BED10)75Gy以上の照射が行われており、48%の患者に対しては肝臓に対する治療(liver-directed therapy)の既往があった。
・全例で予定治療コースを完遂し、1例(0.7%)にGrade 3+急性期毒性、4例(2.6%)にGrade 3+晩期毒性が認められた。
・15治療コース(8.7%)に非古典的放射線性肝障害(RILD, radiation-induced liver disease)が認められ、放射線治療後にChild-Pugh score 2ポイント以上の上昇が認められた。
・無増悪生存期間(中央値):未到達。
・研究期間中、8.1%の患者にリンパ節転移が認められ、18.8%に遠隔転移の発生が認められた(骨転移 42.9%、肺転移 50.0%、軟部組織/腹膜/その他 46.4%で、大半の患者は1部位以上への遠隔転移が認められた)
<結論>外科的切除不能な肝細胞がんに対する体幹部定位放射線治療/寡分割照射による局所制御は良好で、治療に関連した毒性は最小限度のものであった。遠隔転移のない外科的切除不能な肝細胞がんにおいて、体幹部定位放射線治療/寡分割照射が局所に対する標準治療となるかを前向きランダム化試験により評価を行う必要がある。


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