肺転移>大腸がん>体幹部定位放射線治療>後ろ向き研究

 

肺転移>大腸がん>体幹部定位放射線治療>後ろ向き研究


Nicosia L, Radiother Oncol. 2021. PMID: 34748855

・大腸がん/直腸がん、肺転移に対する体幹部定位放射線治療
・多施設共同後ろ向き研究、イタリア
・背景:少数転移(オリゴ転移)に対する体幹部定位放射線治療(SABR, stereotactic ablative radiotherapy)により生存成績が改善することが示されているが、大腸がんの転移の局所制御は依然として不良。
・大腸がん/直腸がんに対する体幹部定位放射線治療に対する奏効や多発転移(PMD, polymetastatic disease)への進行を予測する因子の解析を行った。
・対象と方法:23施設からのデータ、1033肺転移を解析した。
・局所無増悪生存(FLP, local progression-free survival)を予測する臨床的パラメーターや生物学的パラメータを評価した。
・副次評価項目:多発病変発生までの期間(tPMC, time to the polymetastatic conversion)
・結果:2年局所無増悪生存率:75.4%。
・2年局所無増悪生存率:生物学的実効線量(BED, biologically affective dose)<100 Gy(76.1%)、100-124 Gy(70.6%)、125 Gy以上 94%(p=0.000)
・2年局所無増悪生存率:腫瘍サイズ 10 mm以下(79.7%)、10-20 mm(77.1%)、>20 mm(66.6%)(p=0.027)
・多変量解析にて、生物学的実効線量(BED >125 Gy以上)と局所増悪との関連が認められた(HR 0.24, 95% CI 0.11-0.51, p=0.000)
・多発転移進展(tPMC)までの期間(中央値)26.8ヶ月
・低い生物学的実効線量(<125 Gy)と比較して、高い生物学的実効線量(125 Gy)で治療された患者で多発転移への進展までの期間が長かった。
・多発転移への進展までの期間(中央値)は、少数転移の個数 1個(28.5ヶ月)、2-3個(25.4ヶ月)、4-5個 9.8ヶ月(p=0.035)
<結論>今回の解析結果から、大腸がん/直腸がんの少数肺転移に対する体幹部定位放射線治療の施行により多発転移への進展までの期間を延長させ、一定の患者では比較的長期の無病期間が得られる可能性がある。治療の個別化のための予後因子が同定された。

 

Nicosia L, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2021. PMID: 34701941

・大腸がん/直腸がん 肺転移に対する体幹部定位放射線治療(SABR, stereotactic ablative radiotherapy)
・多施設共同後ろ向き研究、イタリア
・目的:少数転移(オリゴ転移)に対する体幹部定位放射線治療(SABR, stereotactic ablative radiotherapy)により生存成績を改善できることが示されているが、大腸がんの遠隔転移の局所制御は依然として不良です。
・今回の研究の目的は、多施設のデータベースを後ろ向きに解析し、体幹部定位放射線治療の奏効を予測する因子を解析し、肺転移に対する体幹部定位放射線治療が多発転移(PMD, polymetastatic disease)への進展に与える影響を評価すること。
・対象と方法:22施設、622例(1023肺転移病変)を解析した。
・生物学的有効線量(BED10)(中央値)105Gy10。
結果:経過観察期間(中央値)26ヶ月(3-117ヶ月)
・腫瘍径(中央値)13 mm(4-58 mm)。
・局所無増悪生存率:2年 75.6%、3年 71%。
・単変量解析にて、生物学的有効線量(BED10)125Gy10以上(2年 94.1% vs. 72.6%, p<0.0001)、単回照射(2年 80.6% vs. 73.7%, p=0.03)が良好な局所無増悪生存と関連していたが、BED10>100Gy10で治療された患者群では有意差を認めなかった。
・腫瘍径 19 mm以下では局所無増悪生存が良好であった(2年 80% vs. 60%, p<0.0001)
・多発転移発症までの期間(中央値)は26ヶ月。
・無増悪生存期間(中央値)11.3ヶ月。
・体幹部定位放射線治療後、36%の患者では多発再発が認められ、39.5%の患者では少数転移(オリゴ転移)での再発が認められ、24.5%の患者ではその後明らかな再発を認めなかった。
<結論>今回の解析結果では大腸がん 少数転移に対する体幹部定位放射線治療の施行が支持され、多発転移発症までの期間を延長させ、一定の患者では長期の無病期間が得られていた。局所制御を予測する生物学的、臨床的な予後因子が同定された。


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