膵がん>遺伝子変異/遺伝子異常

 

膵がん>遺伝子変異/遺伝子異常


Reddy AV, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2021. PMID: 34701950

・膵がんに対するネオアジュバント化学療法、体幹部定位放射線治療(SBRT, stereotactic body radiotherapy)、surgical exploration施行例における、KRAS および NOTCH1/2変異
・目的:膵がんに対する放射線治療の役割に関しては、臨床的奏効の不均一性のために依然として議論がある。
・放射線感受性を予測する分子バイオマーカーを用いることにより、放射線治療を行う患者選択が可能となる可能性がある
・今回の研究の目的は、ネオアジュバント化学療法および体幹部定位放射線治療(SBRT)後に surgical explorationが行われた外科的切除可能境界(BRPC, borderline resectable)/局所進行膵がん(LAPC, locally advanced pancereatic cancer)における遺伝子変異と病理学的成績や生存成績との関連性を評価した。
対象と方法:2017-2019年、ネオアジュバント化学療法および体幹部定位放射線治療(SBRT)後に surgical explorationが行われた患者で、原発腫瘍の次世代シーケンシング(NGS, next generation sequencing)が行われた患者を解析した。
・穿刺吸引法(FNA)により得られた検体(5検体)、外科的切除で得られた検体(38検体)を評価した。
・結果:43例に対し原発腫瘍の次世代シーケンシング(NGS)が行われ、solid tumor panel(35例)、Foundation One(8例)。
・ネオアジュバント治療:FOLFIRINOX療法(36例)および/あるいはゲムシタビン/nab-パクリタキセル(11例)後に体幹部定位放射線治療 33Gy/5回(30-36Gy/5回)が施行されていた。
・外科的切除が35/43例に対し行われており、8/43例では外科的切除が中止された。
・経過観察期間(中央値)22.0ヶ月
・KRAS mutationが96%(43/45例)に認められた。
・単変量解析/多変量解析にて、KRAS G12V変異陽性例では、他のKRAS変異患者と比較して、局所奏効率が高かった(100% vs. 68.4%, p=0.003)
・単変量解析/多変量解析において、NOTCH1/2異常例 および KRAS VAF >4.3が不良な全生存と関連していた。
・全生存期間(中央値)(NOTCH1/2変異陽性 vs. wild type):14.4ヶ月 vs. 27.5ヶ月(p=0.045)
・全生存期間(中央値)(KRAS VAF 4.3以下 vs. >4.3):13.8ヶ月 vs. 31.3ヶ月(p=0.025)
・KRAS VAF >4.3の患者では、遠隔無再発生存(中央値 not met vs. 8.1ヶ月, p=0.043)、無増悪生存も不良な経口が認められた(中央値 8.1ヶ月 vs. 13.9ヶ月, p=0.058)
<結論>切除可能境界(BRPC)/局所進行膵がん(LAPC)において、KRAS G12V変異陽性例ではネオアジュバント化学療法と体幹部定位放射線治療および手術後の局所奏効が良好であった。NOTCH1/2遺伝子異常、KRAS VAF >4.3が不良な全生存と関連していた。KRAS VAF >4.3は不良な遠隔無再発生存や無増悪生存とも関連していた。


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