膵がん>陽子線治療

 

膵がん>陽子線治療


Rapp C, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2021. PMID: 34701949

・切除不能/切除可能境界/医学的手術不能膵がんに対する化学療法併用陽子線治療(PRT, proton radiotherapy)
・第2相試験、米国
・目的:切除不能/切除可能境界/医学的手術不能膵がんに対する予防的領域照射(ENI, elective nodal irradiation)を含めた同時化学陽子線治療の治療成績を報告すること。
・対象と方法:陽子線治療:肉眼的病変に対して40.5GyE/18回、予防的リンパ節に対し22.5GyE/10回を照射し、肉眼的腫瘍体積に総線量63GyEまでブースト照射を行った。
・放射線治療の照射日にカペシタビン(1000 mg、経口投与、1日2回)を投与した。
・主要評価項目:1年全生存割合(>75%)
・副次評価項目:消化管毒性、治療期間中の患者の生活の質(QOL)、化学放射線療法後の手術の安全性。
・結果:登録時、10例(67%)が外科的切除不能(URPC)、3例(20%)が切除可能境界(BRPC)、2例(13%)が手術拒否例であった。
・13例(87%)に対しては化学療法の施行歴があった。
・15例で予定した放射線治療を完遂した。
・毒性に関して、1例にGrade 3の嘔気が認められ、カペシタビンの中止がいつ用となり、治療終了時には概ね改善した。
・その他の患者では放射線治療期間中、カペシタビンの同時併用が可能であった。
・治療期間中または治療後に放射線治療に関連するその他の目立った消化管毒性を認めなかった。
・治療期間中の体重減少(中央値)は -3.0%(-9.6% – +12.0%)
・切除可能境界膵がんの2例(13%)が最終的に外科的切除が行われた。
・手術時間はそれぞれ267分、410分、出血量 700 mL および 400 mLであった。
・いずれの患者でも術中または術後に合併症を認められず、術後6日で退院。
・経過観察期間(中央値)0.93年(0.21-2.14)
・1年全生存率 47%。
・登録例のうち3例が現在生存しており、2例は明らかな病変なし、1例は病勢安定。
・1例は介入疾患(intercurrent disease)のために死亡した。
・その他の11例は腫瘍再発のために死亡し、3例では局所再発が認められ、8例では遠隔転移が認められた。
<結論>プロトコール治療の忍容性は良好であった。外科的手術が施行された患者では術中、術後に合併症を認めず、切除可能境界膵がんや切除可能病変の一部の患者でもこのネオアジュバント(術前)治療によるベネフィットが得られる可能性がある。Proton Collaborative Groupによりこのレジメンによる治療を多施設共同試験 PAN009-18試験により評価予定。


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