食道がん>高齢者>化学放射線療法>vs. 放射線治療単独>後ろ向き研究

 

食道がん>高齢者>化学放射線療法>vs. 放射線治療単独>後ろ向き研究


Wu H, et al. Radiat Oncol. 2021. PMID: 34717670

・高齢者 局所進行食道扁平上皮がんに対するプラチナ製剤併用化学放射線療法に伴うベネフィット
・後ろ向き研究、中国
・目的:高齢者の食道扁平上皮がん患者においては、放射線治療へ化学療法を併用することによるベネフィットに関しては確立していない。
・今回、65歳以上の局所進行扁平上皮がんに対する化学放射線療法(CRT, chemoradiotherapy)と放射線治療(RT, radiotherapy)単独療法の比較を行った。
・方法:後ろ向きに、食道扁平上皮がんに対し化学放射線療法(CRT)または放射線治療単独(RT)にて治療が行われた581例を解析した。
・Cox regression analysisを行い、長期の全生存(OS, overall survial)および 無増悪生存(PFS, progression-free survival)に与える臨床因子の解析を行った。
・最後に化学放射線療法(CRT)と放射線治療単独(RT)による毒性発生率を比較した。
・結果:コホート全体の全生存期間(中央値)23.2ヶ月、無増悪生存期間(中央値)18.6ヶ月。
・Multivariate Cox regression analysisにおいて、化学療法の施行(p<0.05)、腫瘍の厚さ(p<0.01)、N病期(p<0.05)が全生存および無増悪生存に関連する独立した予後因子であった。
・化学療法施行例において、化学療法1サイクルのみが行われた患者と比較して、2-8サイクルの化学療法が行われた患者で全生存が良好であった(p=0.015)
・サブグループ解析にて、65-74歳の患者群では、放射線治療単独と比較して、化学放射線療で全生存および無増悪生存、いずれも良好であった(p<0.01)
・しかしながら、75歳以上の高齢者では、化学放射線療法と放射線治療単独後の全生存や無増悪生存に有意な差を認めなかった。
・65-74歳の患者で放射線治療単独が行われた患者では、早期食道扁平上皮がんと比較して、進行期の食道扁平上皮がんで全生存や無増悪生存が不良であった(p<0.05)
・放射線治療単独と比較して、化学放射線療法が行われた患者で、重篤な血液毒性が多く認められた(p<0.001)
<結論>今回の研究結果から、65歳以上の高齢者食道扁平上皮がんにおいて、放射線治療単独と比較して、化学放射線療法による有意な全生存や無増悪生存におけるベネフィットが認められた。しかしながら、75歳以上の患者では、化学放射線療法と放射線治療単独後の生存成績に統計学的有意差を認めなかった。75歳以上の患者に対して化学放射線療法を行う場合には特別な注意が必要。


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