骨転移>体幹部定位放射線治療>脊椎転移>免疫チェックポイント阻害剤>後ろ向き研究

 

骨転移>体幹部定位放射線治療>脊椎転移>免疫チェックポイント阻害剤>後ろ向き研究


Chen X, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2021. PMID: 34701854

・脊椎転移に対する体幹部定位放射線治療(SBRT, stereotactic body radiotherapy)後の免疫チェックポイント阻害剤
・後ろ向き研究、米国
・目的:放射線治療、特に体幹部定位放射線治療(SBRT, stereotactic body radiotherapy)による高線量照射により、免疫チェックポイント阻害剤(ICIs, immune checkpoint inhibitors)の治療効果を増感できる可能性がある。
・脊椎転移において、体幹部定位放射線治療(SBRT)および免疫チェックポイント阻害剤(ICIs)がますます重要な働きを果たすようになってきている。
・脊椎転移に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)と免疫チェックポイント阻害剤(ICIs)には相乗効果が存在すると仮説を立てた。
・対象と方法:2009-2019年、脊椎転移に対して体幹部定位放射線治療(SBRT)を施行した患者を後ろ向きにレビューした。
・いずれかのタイミングで免疫チェックポイント阻害剤(ICIs)の投与が行われた患者と、免疫チェックポイント阻害剤(ICIs)の投与が行われなかった患者を比較した。
・Cox proportional hazard analysesを行い、原発腫瘍のタイプ、年齢、全身状態、脊椎に対する手術歴 および/あるいは放射線治療による調整を行い、全生存(OS)や局所制御(LC)を評価した。
・結果:153例、194脊椎病変に対し体幹部定位放射線治療(SBRT)が行われて居た。
・主な原発腫瘍は腎細胞がん(RCC, renal cell carcinoma)(48例, 31%)、非小細胞肺がん(NSCLC, non-small cell lung cancer)(48例, 31%)、悪性黒色腫(10例, 6%)、肝がん(10例, 6%)。
・82例に対し少なくとも1コースの免疫チェックポイント阻害剤(ICIs)の投与が行われていた。
・主な免疫チェックポイント阻害剤のタイプは、抗PD-1阻害剤単独(44例, 53.6%)、抗PD-1阻害剤/抗CTLA-4阻害剤の併用(14例, 17%)であった。
・免疫チェックポイント阻害剤(ICIs)の投与が行われていた患者群において、44例(54%)は体幹部定位放射線治療(SBRT)前に投与が行われており、38例(46%)は体幹部定位放射線治療後に免疫チェックポイント阻害剤(ICIs)の投与が行われていた。
・体幹部定位放射線治療(SBRT)後の生存期間(中央値)は14.8ヶ月(95% CI 11.4-19.6ヶ月)であった。
・単変量解析にて、体幹部定位放射線治療(SBRT)後に免疫チェックポイント阻害剤の投与が行われた患者群は、免疫チェックポイント阻害剤(ICIs)の投与が行われなかった患者と比較して生存成績が良好であった(生存期間[中央値] 27.3ヶ月 vs. 11.3ヶ月, p=0.04)
・腎細胞がん(HR 0.67, 95% CI 0.45-1.00, p=0.05)、BMI(body mass index)高値(HR 0.97 [continuous variable] 95% CI 0.93-1.00, p=0.05)と良好な全生存との関連傾向が認められた。
・原発腫瘍タイプ、全身状態、BMIによる調整後、免疫チェックポイント阻害剤(ICIs)による治療のみが有意に良好な生存と関連していた(HR 0.62, 95% CI 0.39-0.98, p=.04)
・免疫チェックポイント阻害剤(ICIs)の投与が行われた患者では、免疫チェックポイント阻害剤(ICIs)の投与が行われなかった患者と比較して、体幹部定位放射線治療(SBRT)後の局所制御が良好であった(局所制御率 1年 91.3% vs. 81.5%、2年 79.7% vs. 55.5%)(統計学的には有意な差異ではなかった, p=0.18)。
・体幹部定位放射線治療(SBRT)前に免疫チェックポイント阻害剤(ICIs)の投与が行われていた患者では、免疫チェックポイント阻害剤(ICIs)の投与が行われなかった患者と比較して、局所制御が良好な傾向がみられた(HR 0.49, 95% CI 0.22-1.08, p=0.08)
・単変量解析および多変量解析にて、硬膜外病変および脊椎周囲進展が不良な局所制御と関連していた。
<結論>免疫チェックポイント阻害剤(ICIs)は、脊椎転移に対する体幹部定位放射線治療(SBRT)後の生存成績および腫瘍制御を改善できる可能性がある。体幹部定位放射線治療後の免疫チェックポイント阻害剤の投与により全身病変の制御を改善し、生存成績を改善できる可能性がある。体幹部定位放射線治療前の免疫チェックポイント阻害剤の投与により局所制御が改善する可能性がある。体幹部定位放射線治療と免疫チェックポイント阻害剤併用による相乗効果を最大化するためにさらなる研究が必要。


<< 骨転移>体幹部定位放射線治療>脊椎転移>免疫チェックポイント阻害剤