HPV関連中咽頭がんに対する化学放射線療法 – 予防領域への照射線量の減量と照射野の縮小

  中咽頭がん

Tsai CJ et al. JAMA Oncol. 2022. PMID: 35050342

・2017年3月1日から2019年7月31日に根治的化学放射線療法を行ったHPV関連中咽頭がん患者276例の後ろ向きコホート研究。

<治療法>
・予防的リンパ節領域や sub-clinicalな領域に対して30Gy/15回の照射を行い、肉眼的病変のみへ40Gy/20回の照射を追加し、総線量70Gyの照射を行った。
・リンパ節転移陰性の頸部では咽頭後リンパ節(high retropharyngeal nodal basins)、両側のLevel IB および Vへの照射は省略した。

<結果>
・276例を解析し、年齢の中央値は61歳(36-87歳)、247例(89.5%)は男性、183例(66.3%)の喫煙歴は10 pack-years未満であった。
・患者の大半(251例 [90.9%)は白人であった。
・全体で、AJCC 8th Staging Manualを用いた評価により、cT3-cT4の患者が87例(31.5%)、cN2-cN3の患者が65例(23.5%)であった。
・172例(62.3%)は 300 mg/m2の高用量シスプラチンによる治療を完遂した。
・経過観察期間の中央値26ヶ月(21-32ヶ月)で、8例に局所領域再発が認められ、7例は70Gyが照射された原発巣または肉眼的リンパ節転移からの再発で、1例は肉眼的病変として同定されず30Gyのみしか照射されなかったリンパ節からの再発であった。
・24ヶ月局所領域制御率 97.0%、無増悪生存率 88.0%、遠隔無再発生存率 95.2%、全生存率 95.1%であった。
・治療期間中に17例(6.2%)で経管栄養(feeding tube)が必要となった。
・24ヶ月時点で、多くの QOL composit scores(顎に関連した問題、疼痛、社会的接触、食事、発声、嚥下)は、治療前と比較して同等か良好なものであった。
・一方、感覚や口腔乾燥、筋の緊張や認知機能は経時的に改善がみられたものの、治療前と比較すると若干悪い状態であった。

<結論>
・今回のコホート研究では予防的照射の治療強度を下げる治療戦略による臨床成績やQOL profileは良好なものであった。
・長期の経過観察結果により、HPV関連中咽頭がんに対する化学放射線療法施行患者における、予防照射の治療強度を下げる治療戦略の有効性が確かなものとなると思われる。

LEAVE A COMMENT