食道がんに対する術後放射線治療 – 予防的リンパ節照射(ENI) vs. Involved field irradiation (IFI)

  食道がん

Liu R et al. J Cancer. 2021. PMID: 33976727. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33976727/


・食道扁平上皮がんに対する術後放射線治療;Involved field(IFI) vs. 予防的リンパ節照射(ENI)

<目的>
・食道扁平上皮がんに対する術後放射線治療において、Involved fieldへの照射(IFI)後と予防的リンパ節領域への照射(ENI)後の局所領域再発や生存成績を比較評価すること。

<対象と方法>
・登録された患者をInvolved field irradiation群(IFI群)と予防的リンパ節領域照射群(ENI群)にランダム化した。
・Involved field irradiationにおける臨床的標的体積(CTV)は、手術前の原発腫瘍の場所と術後の病理学的特徴およびリンパ節転移陽性の領域により設定を行った。
・予防的リンパ節照射群(ENI群)の臨床的標的体積(CTV)は、術前の原発腫瘍の場所と予め設定したリンパ節領域により設定した。
・放射線治療計画は3次元原体照射(3D-CRT)または強度変調放射線治療(IMRT)により行った。

<結果>
・合計で57例の患者が登録され、予防的リンパ節照射群(ENI群)28例、Involved field irradiation群(IFI群)29例。
・患者背景において、両群間に統計学的有意な違いは認められなかった。
・初期再発として、予防的リンパ節照射群(ENI群)の20.7%、Involved field irradiation群(IFI群)17.9%に局所領域再発が認められた(p=0.085)。
・予防的リンパ節照射群(ENI群)の無増悪生存割合:1年 63.2%、3年 43.5%、5年 21.8%。
・Involved field irradiation群(IFI群)の無増悪生存割合:1年 78.6%、3年 60.1%、5年 55.1%。
・無増悪生存割合は、予防的リンパ節照射群(ENI群)と比較して、Involved field irradiation群(IFI群)で良好であった(p=0.038)
・予防的リンパ節照射群(ENI群)の全生存割合:1年 78.6%、3年 46.9%、5年 23.5%。
・Involved field irradiation群(IFI群)の全生存割合:1年 72.9%、3年 59.7%、5年 54.3%。
・全生存割合は、予防的リンパ節照射群(ENI群)と比較して、Involved field irradiation群(IFI群)で良好な傾向がみられたが、統計学的有意なものではなかった(p=-0.06)。
・急性期の放射線肺臓炎(p=0.005)、血液毒性(p=0.029)の発生率に統計学的有意差が認められ、Involved field irradiation群(IFI群)と比較して、予防的リンパ節照射群(ENI群)で高頻度であった。

<結論>
・今回の臨床試験結果からは、食道扁平上皮がん患者に対する術後放射線治療において、予防的リンパ節照射(ENI)と比較して、Involved field irradiation後の生存成績が良好で、毒性が少なく、局所領域再発も増加させないことが示唆された。


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