少数転移を有するEGFR変異陽性非小細胞肺がん;チロシンキナーゼ阻害治療+放射線治療 vs. チロシンキナーゼ阻害薬単独治療;SINDAS試験

  EGFR変異, 肺がん, 非小細胞肺がん

Wang XS et al. J Natl Cancer Inst. 2022. PMID: 35094066
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35094066/

・診断時に少数転移を認めるEGFR変異陽性非小細胞肺がんに対する初期治療
・チロシンキナーゼ阻害剤+放射線治療 vs. チロシンキナーゼ阻害剤単独
・ランダム化試験、SINDAS trial(NCT02893332


<背景>
・少数転移を有する非小細胞肺がん(NSCL, non-small cell lung cancer)患者では、全身療法へ放射線治療を追加することにより無増悪生存(PFS, progression-free survival)や全生存(OS, overall survival)が改善されることが報告されている。
・EGFR変異陽性の非小細胞肺がん(EGFR)患者でも同様の結果が得られるかに関しては不明である。
・SINDAS試験では、同時性に(synchronous)少数転移を認める非小細胞肺がん患者において、初期治療として放射線治療を加える患者とチロシンキナーゼ阻害剤単独治療を行う患者の治療成績を比較した。
・今回、予め設定した68%の患者が登録された時点での中間解析結果を報告する。

<方法>
・組入基準:生検にて証明されたEGFR変異陽性腺がん(amplication refractory mutation system または next generation sequencingによる診断)、同時性の(新たに診断された、治療歴のない)少数転移(5個以下、1つの臓器あたり2病変以下)を有する非小細胞肺がんで、脳転移の合併なし。
・全例に対し第1世代のチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)(ゲフィチニブ、エルロチニブ または イコチニブ)の投与を行い、放射線治療非施行群(non-RT群)と放射線治療施行群(RT群)にランダム化を行った。
・放射線治療は、25-40 Gy/5回を腫瘍のサイズや局在により、すべての遠隔転移や原発巣、転移の認められる領域リンパ節に対し照射した。
・主要評価項目:intention-to-treatによる無増悪生存(PFS)。
・副次評価項目:全生存(OS)、毒性

<結果>
・2016-2019年の期間に、合計で133例(no-RT群 65例、RT群 68例)が登録された。
・経過観察期間の中央値は23.6ヶ月。
・無増悪生存期間の中央値は、TKI単独群(non-RT群)12.5ヶ月、TKI+放射線治療群(RT群) 20.2ヶ月(p<0.001)。
・全生存期間の中央値は、TKI単独群(non-RT群)17.4ヶ月、TKI+放射線治療群(RT群)25.5ヶ月(p<0.001)。
・治療に関連したグレード5の有害事象は認められなかった。
・TKI+放射線治療群(RT群)の、症候性のグレード3/4肺臓炎発生率は6%であった。
・これらの予め設定した中間解析における有効性結果から、ethics committeeより、試験の早期中止の勧告がなされた。

<結論>
・EGFR変異陽性非小細胞肺がんで、同時性に(診断時に)少数個の転移が認められる場合の初期治療として、チロシンキナーゼ阻害薬単独治療と比較して、チロシンキナーゼ阻害薬に放射線治療を加えることによる有意な無増悪生存や全生存の改善効果が認められた。


<関連wiki>
肺がん>非小細胞肺がん>少数転移>EGFR変異陽性

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