完全切除および術後化学療法が行われたIIIA期 N2 非小細胞肺がんに対する術後放射線療法は無病生存を改善するか? – PORT-C trial –

Hui Z et al. JAMA Oncol. 2021. PMID: 34165501
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34165501/

・IIIA期 N2 非小細胞肺がんに対する完全切除およびアジュバント(術後)化学療法施工例に対する術後放射線療法
・ランダム化試験、PORT-C trial


<重要性>
・pIII期 N2 非小細胞肺がんで、完全切除が行われた患者に対する術後放射線治療(PORT, postoperative radiotherapy)の役割は確立されていない。

<目的>
・pIIIA期 N2 非小細胞肺がんで完全切除およびアジュバント(術後)化学療法が施行された患者における、モダンな照射技術による術後放射線治療(PORT)の生存成績への効果や安全性を評価すること。

<対象と方法>
・PORT-C ランダム化臨床試験は、2009年1月-2017年12月の期間、pIIIA期-N2 非小細胞肺がんで、完全切除およびプラチナ製剤をベースとしたアジュバント(術後)化学療法4サイクル施行例 394例を対象として行われた。
・2019年3月-2020年12月にデータ解析を行った。

<介入>
・患者を術後放射線治療群(PORT群)(202例)と経過観察群(OBS群 192例)にランダム化した。
・術後放射線治療(PORT)の総線量は50 Gyであった。

<評価項目>
・主要評価項目:無病生存(DFS, disease-free survival)
・副次評価項目:全生存(OS, overall survival)、局所領域無再発生存(LRFS, locoregional recurrence-free survival)、遠隔無再発生存(distant metastasis-free survival)、毒性

<結果>
・登録された394例のうち、364例が適格であった。
・年齢の中央値は55歳(範囲 25-70歳)、男性 205例(55.5%)、女性 162例(44.5%)であった。
・経過観察期間の中央値46.0ヶ月(95% CI 41.9-51.4)の時点で、230の無病生存のイベント報告がみられ、術後放射線療法群(PORT群) 184例、経過観察群(OBS群)180例であった。
・3年無病生存率:術後放射線療法群(PORT群) 40.5%、経過観察群(OBS群)32.7%。
・無病生存期間の中央値は、術後放射線療法群(PORT群)22.1ヶ月、経過観察群(OBS群)18.6ヶ月で、無病生存の差は有意なものではなかった(Hazard ratio 0.84, 95% CI 0.65-1.09, p=0.20)
・予め計画していた摘出されたリンパ節と転移が認められるリンパ節の数による層別解析では、術後放射線療法群で無病生存が良好であった(Hazard ratio 0.75, log-rank p=0.04)。
・3年全生存率:78.3% vs. 82.8%(HR 1.02, p=0.93)、局所領域無再発生存率:66.5% vs. 59.7%(HR 0.71, 95% CI 0.51-0.97, p=0.03)であった。
・プロトコール治療が行われた310例の解析(術後放射線療法群 140例、経過観察群 170例)では、無病生存は術後放射線療法群で良好であった(42.8% vs. 30.6%, HR 0.75, 95% CI 0.57-1.00, p=0.05)が、全生存の改善効果は認められなかった(HR 0.83, 95% CI 0.53-1.30, p=0.41)。
・局所のみの再発率は3年時点でそれぞれ9.5%および18.3%であった(Fine-Gray HR 0.55, Gray test p=0.04)。
・放射線治療に関連したグレード4/5有害イベントは観察されなかった。

<結論>
・完全切除およびアジュバント(術後)化学療法が行われたpIIIA期 N2 非小細胞肺がん患者において、術後放射線治療(PORT)による無病生存の改善効果は認められなかった。


LEAVE A COMMENT