微小血管浸潤(MVI)を有する肝細胞がんに対する肝切除術にて十分な切除マージンが得られなかった患者に対する体幹部定位放射線治療

  肝細胞がん

Shi C et al. Eur J Cancer. 2022. PMID: 35303509
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35303509/


・微小血管浸潤を伴う肝細胞がんに対する肝切除術において、十分な切除マージンが得られなかった患者に対する、体幹部定位放射線治療による術後照射

<背景>
・肝細胞がん(HCC)に対する肝切除術においては、十分な切除マージンが得られないことがしばしばおこる。
・特に微小血管浸潤(MVI, microvascular invasion)のある患者では、十分な切除マージンが得られないことが特に多い。
・体幹部定位放射線治療(SBRT, stereotactic body radiotherapy)による腫瘍や腫瘍塞栓の制御の有効性が示されている。
・今回の研究の目的は、肝細胞がん(HCC)で微小血管浸潤(MVI)を有する患者で、肝切除術で十分な切除マージンが得られなかった患者に対する、体幹部定位放射線治療(SBRT)による術後照射の有効性を評価すること。

<方法>
・試験デザイン:単施設でのランダム化試験。
・微小血管浸潤(MVI)を有する肝細胞がん(HCC)患者で、十分な切除マージンが得られなかった患者を、体幹部定位放射線治療(SBRT)による術後照射を行う群(SBRT群)と手術単独群(SA, surgery alone)にランダム化した。
・体幹部定位放射線治療(SBRT)による術後照射は、CyberKnife®により、切除断端部を標的として、手術1ヶ月後に施行。
・無病生存(DFS, disease-free survival)、全生存(OS, overall survival)を比較し、有害イベント(AEs, adverse events)をモニターした。

<知見>
・合計で76例が登録された(SBRT群 38例、SA群 38例)。
・SBRT群の無病生存率(DFS):1年 92.1%、3年 65.8%、5年 56.1%
・SA群の無病生存率(DFS):1年 76.3%、3年 36.8%、5年 26.3%(p=0.005)
・SBRT群の全生存率(OS):1年 100%、3年 89.5%、5年 75.0%
・SA群の全生存率(OS):1年 100%、3年 68.4%、5年 53.7%(p=0.053)
・体幹部定位放射線治療(SBRT)の照射線量は35 Gyで、生物学的実効線量(BED, biological effective dose)は59.5 Gyであった。
・放射線治療に関連した有害イベント(AE)の発生率は31.6%(12例/38例)で、グレード3以上の有害イベントの発生は認められなかった。

<結論>
・微小血管浸潤(MVI)を有する肝細胞がん患者で、肝切除の切除マージンが十分でない場合、体幹部定位放射線治療(SBRT)による術後照射は安全な治療法で、局所再発を予防し、無病生存を改善した。

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