【PROACTIVE】進行非小細胞肺がんに対する緩和照射;IMRTを用いた食道回避は食道毒性低減に有用か?

  非小細胞肺がん

Louie AV et al. JAMA Oncol. 2022. PMID: 35201290
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35201290/


・中枢性肺がんに対する緩和照射における食道回避
・ランダム化試験、PROACTIVE

<重要性>
・進行期の非小細胞肺がん(NSCLC, non-small cell lung cancer)患者において、緩和的胸部放射線治療(RT, radiotherapy)により局所症状の緩和が得られるが、治療に関連した有害イベントとして食道炎が認められることが多い。
・強度変調放射線治療(IMRT, intensity modulated radiotherapy)により食道を回避することにより、臨床的に有意な食道毒性の減少が得られるかに関しては不明。

<目的>
・標準的な放射線治療と比較して、強度変調放射線治療を用いた食道を回避した放射線治療により、臨床的に有意な食道症状を減少できるかを評価すること。

<対象と方法>
・PROACTIVE(Palliative Radiation for Advanced Central Lung Tumors With Intentional Avoidance of the Esophagus)は、多施設共同第3相ランダム化試験で、2016年6月-2019年3月にかけて患者登録を行った。
・2020年1月-2021年10月にかけて、データ解析を行った。
・患者を1年まで経過観察した。
・III期/IV期非小細胞肺がんで、緩和的胸部放射線治療(20 Gy/5回 または 30 Gy/10回)の適応がある患者90例を6施設より登録した。

<治療介入>
・患者を(1:1)の割合で、標準的な放射線治療群(コントロール群)と、食道回避強度変調放射線治療群(ES-IMRT群)にランダム化した。
・食道の最大線量が処方線量の80%を超えないよう、標的のカバーは妥協した。

<評価項目>
・主要評価項目:放射線治療2週後の食道に関連した生活の質(QOL, quality of life)で、Functional Assessment of Cancer TherapyのECS(esophageal cancer subscale)により評価した。
・ECSが高い場合に、QOLが良好であることを示すスコアで、2-3ポイントの変化を臨床的有意と判断した。
・副次評価項目:全生存、毒性、他のQOL評価基準。

<結果>
・2016年6月-2019年3月、90例が標準的放射線治療または食道回避IMRT群にランダム化された。
・ランダム化時点での年齢中央値は72歳、50例(56%)が女性であった。
・36例(40%)に対しては20Gy/5回、54例(60%)に対しては30Gy/10回の照射が行われた。
・主要評価項目である放射線治療2週後のECSスコア平均は、コントロール群 50.5(SD 10.2)、食道回避IMRT群 54.3(SD 7.6)(p=0.06)であった。
・放射線治療に関連した症候性の食道炎が、コントロール群 11例(24%)、食道回避IMRT群 1例(2%)に認められた。
・事後サブグループ解析において、30Gy/10回の照射が行われた患者群で、食道回避IMRTによる食道炎の発生減少効果が大きかった(30% vs. 0%, p=0.004)。
・標準的な放射線治療と食道回避IMRT後の全生存は同等のものであった(全生存期間中央値 8.6ヶ月 vs. 8.7ヶ月, p=0.62)

<結論>
・進行非小細胞肺がんに対する緩和的胸部放射線治療において、強度変調放射線治療により食道を回避することによる食道に関連したQOLの有意な改善効果は認められなかったが、症候性の食道炎の発生は減少した。
・事後解析では、食道回避IMRTによる食道炎の減少効果は30Gyが照射された患者で目立ち、これらの結果から食道回避IMRTは処方線量が30Gy以上の場合にベネフィットが最も大きいかもしれない。

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