非小細胞肺がん 脳転移に対する全脳照射;ニトログリセリンの併用は有効か?

  脳転移, 非小細胞肺がん

Arrieta O et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2022. PMID: 35157994
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35157994/

・非小細胞肺がん 脳転移に対する全脳照射
・全脳照射期間中のニトログリセリン投与の有効性
・第2相ランダム化試験


<背景>
・低酸素誘導因子(HIF, Hypoxia Induced Factor)により惹起されたされた血管内皮増殖因子受容体(VEGFR, Vascular Endothelial Growth Factor Receptor)に伴い、低酸素は化学療法や放射線抵抗性に関連する。
・ニトログリセリン(NTG, nitoroglycerin)は組織内のHIF-1を減少することが可能。
・特にEGFR変異陽性(EGFRm)腫瘍細胞では特にVEGFやHIFの過剰発現が示されている。
・今回の第2相試験では、非小細胞肺がん 脳転移に対する全脳照射施行時の、ニトログリセリン(NTG)の経皮的投与の効果を評価した。
・ニトログリセリン(NTG)は 36 mgパッチを用いて、経皮的に、全脳照射期間中の月曜から金曜(10日間)投与した。

<結果>
・50例がコントロール群、46例がニトログリセリン群(NTG群)に割付けられた。
・コントロール群 26例(55.3%)、ニトログリセリン群(NTG群) 21例(44.7%)にEGFR変異(EGFRm)が認められた。
・頭蓋内病変の客観的奏効割合は、コントロール群と比較して、ニトログリセリン群(NTG群)で良好であった(56.6% vs. 32.7%, p=0.024)。
・コントロール群と比較して、ニトログリセリン群(NTG群)で頭蓋内病変の無増悪生存(ICPFS, intra-cranial progression-free survival)が良好であった(HR 0.470, p=0.021)。
・頭蓋内無増悪生存(ICPFS)の改善に伴い、全体の無増悪生存(PFS, progression-free survival)の改善も認められた(HR 0.519, p=0.043)
・頭蓋内の客観的奏効割合や頭蓋内無増悪生存(HR 0.38, p=0.030)の改善は、EGFR変異陽性(EGFRm)患者で特に明らかであった。
・全生存には有意差を認めなかった。
・コントロール群と比較して、ニトログリセリン群(NGT群)に嘔吐が多く認められた(p=0.016)

<結論>
・非小細胞肺がん 脳転移に対する全脳照射において、ニトログリセリンの投与による頭蓋内病変の客観的奏効割合の改善、頭蓋内病変の無増悪生存の改善効果が認められた。このニトログリセリンによるベネフィットは、EGFR変異陽性患者群で特に大きかった。

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