切除不能進行胃がんによる出血に対する緩和照射

  胃がん

Kondoh C et al. BMC Palliat Care. 2015. PMID: 26238344
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26238344/

・切除不能進行胃がんの出血に対する緩和的放射線治療の有効性
・後ろ向きコホート研究


<結論>
・切除不能胃がん患者において、出血は患者の生活の質(QOL, quality of life)へ悪影響を与え、時に致死的となることもある。
・輸血や内視鏡的治療により止血が得られなかった場合に、手術が適さない患者に対しては胃に対して放射線治療が行われることがある。
・特に予後が不良な患者における出血性胃がんに対する放射線治療に関する後ろ向きコホート研究を行った。

<方法>
・2007年1月-2012年12月、進行性胃がんに対し緩和的放射線治療を行った患者の有効性と安全性を評価した。
・全例、出血性胃がんのために輸血を要する患者であった。
・「止血」を、ヘモグロビン値 7.0 g/dL以上で、1週間以上タール便や吐血がなくなったものと定義した。

<結果>
・研究期間に、313例の胃がん患者が治療されていた。
・これらのうち、17例に対し止血目的の緩和的放射線治療が行われていた。
・2例は、放射線治療と血管内塞栓術の併用が行われていたため、解析から除外した。
・残り15例のうち、11例(73%)に対しては2つ以上のレジメンによる化学療法が行われていた。
・10例(67%)はECOG PS 3で、14例(93%)は Palliative prognostic index group の BまたはCの患者であった。
・計画総線量の中央値は30Gy/10回であった。
・照射開始からの期間中央値2日で、11例(73%)で止血が得られていた。
・再出血が4例(36%)に認められた。
・放射線治療開始から治療後にかけてヘモグロビン値中央値の有意な上昇が認められた(6.0 to 9.0 g/dL, p<0.0001)
・赤血球製剤の輸血量の中央値は、1120 mL から 280 mLと有意に減少した(p=0.007)
・再出血回避生存期間中央値は27日で、全生存期間中央値は63日であった。
・死亡原因は、出血1例(7% )、出血のないがんの進行が12例(80%)であった。
・放射線治療に関連した重篤な有害イベントの発生は認められなかった。

<結論>
・出血性胃がんに対する緩和的放射線治療により短期間に止血が得られていた。
・切除不能な進行胃がんの終末期では、緩和的放射線治療は有用な治療選択肢である様子。

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