高リスク前立腺がんに対する外部照射±小線源治療ーアンドロゲン抑制療法の適切な併用期間は?ー

  前立腺がん

Kishan AU et al. JAMA Oncol. 2022. PMID: 35050303
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35050303/

・高リスク前立腺がんに対するアンドロゲン抑制療法併用外部照射 ± 小線源治療によるブースト照射


<重要性>
・高リスク前立腺がんではアンドロゲン抑制療法(ADT, androgen deprivation therapy)併用の放射線治療が標準治療の1つ。
・しかしながら、放射線治療の照射線量とアンドロゲン抑制療法(ADT)の必要最小限の期間に関しては不明。

<目的>
・高リスク前立腺がんに対し、アンドロゲン抑制療法(ADT)併用の外部照射(EBRT, external beam radiotherapy)または外部照射+小線源治療(EBRT+BT, EBRT + brachytherapy boost)施行例において、遠隔無再発生存(DMFS, distant metastasis-free survival)のベネフィットにおけるアンドロゲン抑制療法(ADT)の施行期間の閾値を決定すること。

<対象と方法>
・3つのコホート(多施設後ろ向き研究 2000-2013年、RADAR 2003-2007年 および DART 2005-2010年のポストホック解析)を対象としたコホート研究。
・多施設後ろ向きコホートのEBRT 1827例、EBRT+BT 1108例、RADARコホートのEBRT 181例、EBRT+BT 203例、DARTコホートのEBRT 91例を対象に解析を行った。

<治療>
・高線量の外部照射(EBRT)または外部照射+小線源治療(EBRT+BT)とアンドロゲン抑制療法の併用

<評価項目>
・主要評価項目:遠隔無再発生存(DMFS)
・副次評価項目:全生存(OS, overall survival)。

<結果>
・合計で3410例を対象として解析を行い、平均年齢は68歳であった。
・Natural cubic spline analysisの結果からは、EBRT単独の場合の遠隔無再発生存におけるアンドロゲン抑制療法(ADT)の最小施行期間の閾値は26.3ヶ月、EBRTとBTの併用の場合には12ヶ月であった。
・RADAR試験において、EBRT単独にて治療された患者において、アンドロゲン抑制療法(ADT)の期間を延長することによる有意な遠隔無再発生存の改善効果は認められなかった(HR 1.01, 95% CI 0.65-1.57)
・しかしながら、外照射と小線源治療の併用(EBRT+BT)が行われた患者群では、アンドロゲン抑制療法(ADT)の施行期間の延長による遠隔無再発生存の改善効果が認められた(HR 0.56, 95% CI 0.36-0.87, p=0.01)。
・DARTにおいて外照射単独が行われた患者において、18ヶ月間のアンドロゲン抑制療法(ADT)併用と比較して、28ヶ月のADT併用で遠隔無再発生存が良好であった(HR 0.37, 95% CI 0.17-0.80, p=0.01)

<結論>
・今回のコホート研究の結果からは、アンドロゲン抑制療法(ADT)の併用期間としては、外部照射単独(EBRT)と併用する場合には18ヶ月以上が望ましく、外部照射と小線源治療の併用(EBRT+BT)が行われる場合には18ヶ月以下である可能性が示唆された。
・追加研究を行い、適切なアンドロゲン抑制療法(ADT)併用の最小期間の決定が望ましい。

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