リンパ節転移陽性の前立腺がんに対する手術後のPSA persistence

  前立腺がん

Shiota M et al. Cancer Sci. 2022. PMID: 35485635
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35485635/

・リンパ節転移陽性の前立腺がんに対する前立腺全摘除術+リンパ節郭清施行後のPSA persistenceに対する放射線治療とアンドロゲン抑制療法(ホルモン療法)の併用


<目的>
・前立腺がんに対する根治的前立腺全摘除術後のリンパ節転移陽性(LNI, lymph node involvement)例に対する治療は確立していない。
・今回の研究の目的は、前立腺全摘除術(RP)施行後のリンパ節転移陽性例(LNI)に対するさまざまな治療法による治療成績を明らかにすること。

<対象と方法>
・本邦33施設において、2006-2019年の期間に、前立腺がんに対し前立腺全摘除術(RP)と骨盤リンパ節郭清(PLND, pelvic lymph node dissection)が施行され、リンパ節転移陽性(LNI)であった561例を遡及的に解析した。
・主要評価項目:遠隔無再発生存(MFS, metastasis-free survival)。
・前立腺全摘除術後のPSA persistenceにより患者の層別化を行った。
・Cox regression modelを用いて臨床的/病理学的因子と生存成績との関連性の解析を行った。
・生存成績の解析はKaplan-Meier法とlog-rank testを用いて行った。

<結果>
・遠隔無再発生存(MFS)や全生存を含む予後は、PSA persistenceのない患者と比較して、PSA persistenceのみられた患者で一般に不良であった。
・多変量解析において、PSA persistenceのみられた患者では、アンドロゲン抑制療法単独(ADT)と比較して、放射線治療とアンドロゲン抑制療法(RT+ADT)が行われた患者で遠隔無再発生存が良好であった(HR 0.37, 95% CI 0.15-0.93, p=0.034)。
・同様に、傾向スコアマッチング後の比較において、アンドロゲン抑制療法単独(ADT)と比較して、放射線治療とアンドロゲン抑制療法の併用(RT+ADT)が行われた患者で、遠隔無再発生存(MFS)および全生存が有意に良好であった。

<結論>
・リンパ節転移陽性の前立腺がんに対する前立腺全摘除術+骨盤リンパ節郭清術後、PSA値が下がりきらない(PSA persistence)場合には、予後が不良であることが示唆された。
・PSA persistenceが認められた場合には、放射線治療とアンドロゲン抑制療法(ホルモン療法)の併用により治療強度を高めることにより生存成績を改善できるかもしれない。

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