局所進行直腸がんに対する Total Neoadjuvant Therapy後の臓器温存率

  直腸がん

Garcia-Aguilar J et al. J Clin Oncol. 2022. PMID: 35483010
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35483010/

・直腸がんに対するTNT(total neoadjuvant therapy)施行例の臓器温存


<目的>
・局所進行直腸がんに対するTNT(total neoadjuvant therapy)施行例における、待機療法(watch and wait strategy)の有効性の前向きデータは限られている。

<方法>
・第2相ランダム化試験において、II期またはIII期の直腸腺がんに対し、導入化学療法とその後の化学放射線療法(INCT-CRT, induction chemotherapy followed by chemoradiotherapy)または 化学放射線療法とその後の地固め化学療法(CRT-CNCT, chemoradiotherapy followed by consolidation chemotherapy)を行い、その後に腫瘍の奏効により全直腸間膜切除術(TME, total mesorectal excision)または待機療法(watch-and-wait)を行った324例の治療成績を評価した。
・全例に対してフルオロウラシル/ロイコボリン/オキサリプラチンによる化学療法を4ヶ月間、フルオロウラシルまたはカペシタビン併用の放射線治療(50-56 Gy)を行った。
・試験デザインは two stand-alone studiesで、主要評価項目はいずれも無病生存(DFS, disease-free survival)であった。
・副次評価項目:全直腸間膜切除回避生存(TME-free survival)。

<結果>
・経過観察期間の中央値は3年。
・3年無病生存割合は、INCT-CRT群 76%、CRT-CNCT群 76%で、従来の3年無病生存成績75%と同等であった。
・3年全直腸間膜切除回避生存割合は、INCT-CRT群 41%、CRT-CNCT群 53%であった。
・両群間に局所無再発生存、遠隔無再発生存、全生存に有意差を認めなかった。
・リステージング後に全直腸間膜切除が行われた患者と再増大後に全直腸間膜切除が行われた患者の比較において、無病生存(DFS)は同等の結果であった。

<結論>
・局所進行直腸がん患者において、TNT(total neoadjuvant therapy)を行うことによりおよそ半数の患者では臓器温存が可能で、化学放射線療法後の全直腸間膜切除と術後化学療法が行われた従来の治療成績と比較して生存成績の悪化は認められなかった。


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