頭頸部がんに対する化学放射線療法施行例の誤嚥性肺炎

  頭頸部がん

Patil V et al. Cancer Med. 2021. PMID: 34498421
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34498421/

・頭頸部がんに対する同時化学放射線療法施行例における誤嚥性肺炎。


<背景>
・低所得~中所得国(LMIC, low- to middle income conuntries)における、頭頸部がんに対する同時化学放射線療法施行例の誤嚥性肺炎(AsP, aspiration )の発生率、治療成績、抗生剤の感受性スペクトラムに関するデータは少ない。

<対象と方法>
・ランダム化試験に登録された患者の事後解析を行った。
・試験では、局所進行頭頸部がんに対し66-70 Gyの放射線治療にシスプラチン 30 mg/m2の毎週投与を6-7週間 または 同様のシスプラチン投与とニモツズマブ(200 mg)の毎週投与を併用した。
・誤嚥性肺炎(AsP)の発生率、誤嚥性肺炎(AsP)の発生タイミング、リスク因子、誤嚥性肺炎の治療成績、無増悪生存(PFS, progression-free survival)や局所領域制御(LRC, locoregional control)、全生存(OS, overall survival)への影響を評価した。

<結果>
・登録された536例のうち、151例(28.3%)に誤嚥性肺炎(AsP)の発症が認められた。
・誤嚥性肺炎(AsP)発症までの期間の中央値は39日(95% CI 34-44)であった。
・治療前の嚥下障害のみが誤嚥性肺炎発症の有意なリスク因子であった(odds ratio = 3.76; 95% CI 1.05-13.51; p=0.042)。
・病原菌が同定された患者69例のうち、63例(89%)でグラム陰性菌が同定された。
・シスプラチン 200 mg/m2以上の投与ができた患者は、誤嚥性肺炎を発症しなかった患者群で312例(81%)、誤嚥性肺炎を発症した患者群では109例(70.9%)であった(p=0.014)。
・誤嚥性肺炎の発症の有無による局所領域制御(HR 1.057; 95% CI 0.771-1.448)や無増悪生存(HR 1.176; 95% CI 0.89-1.553)、全生存(HR 1.233; 95% CI 0.939-1.618)の治療成績差は認められなかった。

<結論>
・頭頸部がんに対する化学放射線療法施行例において、誤嚥性肺炎(AsP)は頻度の高い合併症で、治療前に嚥下障害が存在する患者ではリスクが高かった。
・誤嚥性肺炎の主な原因菌はグラム陰性菌であった。
・広域スペクトラムの抗生剤を使用することにより症状の改善がみられた。

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