側方リンパ節転移のある直腸がんに対する術前化学放射線療法後、直腸間膜全切除術へ側方リンパ節郭清を追加する意義は??

  直腸がん

Kroon HM, et al. Eur J Surg Oncol. 2022. PMID: 35568607
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35568607/

・リンパ節転移陽性 直腸がんに対するネオアジュバント(術前)化学放射線療法後の手術における側方リンパ節郭清。


<背景>
・欧米では、治療前に側方リンパ節(LLNs, lateral lymph nodes)に転移を認める直腸がんに対する標準治療は、ネオアジュバント(術前(化学)放射線療法(nCRT, neoadjuvant [chemo]radiotherapy)とその後の直腸間膜全切除(TME, total mesorectal excision)。
・近年、側方リンパ節郭清(LLND, lateral lymph node dissection)の追加への関心が高まっている。
・今回のシステマティックレビュー/メタアナリシスの目的は、ネオアジュバント(術前)化学放射線療法(nCRT)と直腸間膜全切除 ± 側方リンパ節郭清(LLND)施行例の長期成績を評価すること。

<方法>
・治療前に側方リンパ節転のある直腸がんに対し、ネオアジュバント化学放射線療法(nCRT)後、直腸間膜全切除(TME)+側方リンパ節郭清(LLND+)と直腸間膜全切除術単独(LLD-)後の長期治療成績を比較した報告を、PubMed、Ovid MEDLINE、Embase、Cochrane Library および Clinicaltrial gov.で検索した。
・Newcastle-Ottawa risk-of-bias scaleを用いた。
・局所再発(LR, local recurrence)、無病生存(DFS, disease-free survival)、全生存(OS, overall survival)を評価した。

<結論>
・治療前に側方リンパ節転移陽性例に対するネオアジュバント(術前)化学放射線療法施行後、直腸間膜全切除(TME)に対する側方リンパ節郭清(LLND)を追加することにより、局所再発リスクは低下するものの、無病生存や全生存への影響を認めなかった。
・現在のデータの質は低く、側方リンパ節郭清(LLND)の意義を評価するためには大規模な前向き研究が必要。

<結果>
・7研究、946例を組み入れ解析を行った。
・Risk-of-bias analysis後、1研究(1/7)はgood-qualityであった。
・5年局所再発率は、側方リンパ節郭清が行われた患者で良好であった(3-15% vs. 11-27%, RR 0.40, 95% CI 0.25-0.62; p<0.0001)。
・5年無病生存(61-78% vs. 46-79%, RR 0.72, 95% CI 0.51-1.02; p=0.143)や5年全生存率(69-91% vs. 72-80%, RR 0.72, 95% CI 0.45-1.14; p=0.163)には統計学的有意差を認めなかった。


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