切除不能ユーイング肉腫に対する根治的放射線治療 ー 線量増加により局所制御は改善するか? ー

  ユーイング肉腫

Laskar S, et al. Int J Radiat Oncol BIol Phys. 2022. PMID: 35568246
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35568246/

・切除不能ユーイング肉腫に対する放射線治療の線量増加
・ランダム化試験、インド


<目的>
・外科的切除不能ユーイング肉腫(ES, Ewing’s sarcoma)/ 未分化神経外胚葉性腫瘍 (PNET, Primitive Neuroectodermal Tumor)に対する放射線治療(RT, radiation therapy)において、線量増加が治療成績へ影響するかを検討。

<対象と方法>
・遠隔転移のないユーイング肉腫(ES)/ 未分化神経外胚葉性腫瘍(PNET)(頭蓋内や胸壁病変は除外)に対し、化学療法(VAC/IE療法)を施行し、根治的放射線治療を予定した。
・患者を標準線量群(55.8 Gy/31回)と高線量群(70.2 Gy/39回)にランダム化。
・主要評価項目:局所制御(LC, local control);線量増加により局所制御を65%から82%へ(17%)改善させることを目標とした。
・副次評価項目:無病生存(DFS, disease-free survival)、全生存(OS, overall survival)、MSTS(Musculoskektal Tumor Society)score評価による機能成績。

<結果>
・2005年4月-2015年12月、95例(標準線量群 47例、高線量群 48例)を登録した。
・年齢の中央値は17歳(IQR 13-23歳)。
・男性の患者の割合が高かった(59%)。
・主な原発病変の部位は骨盤部であった(60例、63%)
・腫瘍最大径の中央値は9.7 cm、治療前 FDG-PET CTでのSUVmaxの値の中央値は8.2で、両群で同様の結果であった。
・経過観察期間の中央値67ヶ月時点で、5年局所制御率 62.4%、無病生存率 41.3%、全生存率 51.9%であった。
・5年局所制御率は、標準線量群と比較して、高線量群で良好であった(76.4% vs. 49.4%, p=0.02)。
・5年無病生存率(46.7% vs. 31.8%, p=0.22)や全生存率(58.8% vs. 45.4%, p=0.08)には統計学的有意差を認めなかった。
・標準線量群と比較して、高線量群にRTOG >Grade 2 急性期皮膚毒性の発生が多く認められた(10.4% vs. 2.1%, p=0.08)。
・機能的予後(MSTS score 中央値 29)は両群とも良好であった。

<結論>
・線量増加により局所制御の改善がみられ、機能的予後は良好、目立った毒性の増加も見られなかった。
・外科的切除不能なユーイング肉腫(ES)/ 未分化神経外胚葉性腫瘍(PNET)に対する放射線治療では、線量増加を考慮する必要がある。

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