抗PD-1阻害薬治療中に少数増悪が認められた非小細胞肺がん/悪性黒色腫に対する抗PD-1阻害剤と体幹部定位放射線治療の同時併用

  悪性黒色腫, 非小細胞肺がん

Chicas-Sett R, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2022. PMID: 35595158
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35595158/

・非小細胞肺がん / 悪性黒色腫に対する抗PD-1阻害剤治療中の少数増悪例に対する体幹部定位放射線治療(SABR, stereotactic ablative radiotherapy)と抗PD-1阻害剤の併用
・多施設共同前向き観察研究、スペイン


<背景>
・遠隔転移のある非小細胞肺がん(NSCLC, non-small cell lung cancer)や悪性黒色腫(melanoma)の患者において、抗PD-1(anti-programmed cell death protein 1)阻害剤によりベネフィットが得られる患者は抵抗性メカニズムのために限られる。
・体幹部定位放射線治療(SABR, stereotactic ablative radiotherapy)は少数転移では重要な役割を果たしており、抗PD-1阻害剤の奏効を改善できる可能性がある。
・今回の多施設共同前向き観察研究では、遠隔転移のある非小細胞肺がん(NSCLC)や悪性黒色腫の患者において、抗PD-1阻害薬と体幹部定位放射線治療(SABR)の同時併用により、腫瘍奏効を改善できるかを評価した。

<対象と方法>
・遠隔転移のある非小細胞肺がん / 悪性黒色腫患者で、抗PD-1阻害薬治療後に増悪が認められた患者
・抗PD-1阻害薬は臨床的ベネフィットが認められるため継続し、緩和的に体幹部定位放射線治療(SABR)を行った患者を登録した。
・全例に対し、ペンブロリズマブ(pembrolizumab)またはニボルマブ(nivolumab)を投与継続し、1-5病変に対し体幹部定位放射線治療(SABR)を行った。
・抗PD-1阻害薬を、さらなる病勢増悪、許容不能な毒性発現、医師/患者による中止決定まで継続投与した。
・RECIST1.1により、経過観察期間中に客観的奏効率(ORR, objective response rate)を評価した。
・アプスコパル効果による奏効(AR, abscopal response):体幹部定位放射線治療8週後に、照射が行われていない病変の30%以上の縮小と定義した。

<結果>
・登録された61例のうち、50例の解析が可能であった。
・経過観察期間の中央値は32.8ヶ月。
・客観的奏効率(ORR)は42%で、完全奏効率(CR, complete response)30%、部分奏効(PR, partial response)12%であった。
・無増悪生存期間(PFS, progression-free survival)の中央値は14.2ヶ月(95% CI 6.9-29ヶ月)。
・体幹部定位放射線治療後の全生存期間(OS, overall survival)の中央値は37.4ヶ月(95% CI 22.9-未到達)であった。
・基準を満たした40例を評価し、アブスコパル効果による奏効が65%に認められた。

<結論>
・遠隔転移のある非小細胞肺がん / 悪性黒色腫患者で、抗PD-1阻害剤による治療中に少数病変の増悪が認められた場合、抗PD-1阻害剤の投与を継続し、体幹部定位放射線治療(SABR)を併用することにより、高い奏効率が得られ、さらなる増悪や新たな全身療法への変更を遅らせることにより免疫療法による臨床的ベネフィットを拡大することが可能。


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