食道がんに対する放射線治療後の放射線肺臓炎 ー 強度変調回転照射(VMAT) vs. 3次元原体照射(3D-CRT) ー

  食道がん

Inoo H, et al. J Radiat Res. 2022. PMID: 35589100
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35589100/

・胸部食道がんに対する強度変調回転照射(VMAT, volumetric-modulated arc therapy)後の放射線肺臓炎


<背景>
・胸部食道がんに対する3次元原体照射(3D-CRT)と比較して、強度変調回転照射(VMAT, volumetric modulated arc therapy)後の放射線肺臓炎(RP, radiation pneumonitis)の発生頻度が高いと報告されている。

<対象と方法>
・単施設、後ろ向き研究;胸部食道がんに対する強度変調回転照射(VMAT)が放射線肺臓炎(RP, radiation pneumonitis)と関連しているかを検討した。
・組み入れた161例の胸部食道がん患者161例のうち、142例に対しては3次元原体照射(3D-CRT)、39例に対しては強度変調回転照射(VMAT)による照射が行われていた。
・放射線治療の詳細な情報、線量-体積指標、報告されている放射線肺臓炎(RP)のリスク因子、放射線肺臓炎(RP)の発生率を収集した。
・放射線肺臓炎(RP)のリスク因子を多変量解析にて評価した。

<結果>
・3次元原体照射(3D-CRT)比較して、強度変調回転照射(VMAT)では、標的体積に対する線量収束性が良好で(p<0.001)、心臓のV30Gyが低かった(57% vs. 41%, p<0.001)。
・一方、3次元原体照射と比較して、強度変調回転照射(VMAT)では、肺V5Gy(54% vs. 41%, p<0.001)や肺20Gy(20% vs. 17%, p=0.01)の上昇がみられた。
・しかしながら、1年間の放射線肺臓炎の発生率には有意差を認めなかった(3次元原体照射 11.3%、強度変調回転照射 7.7%, p=0.53)。
・多変量解析において、間質性肺疾患(ILD, interstitial lung disease)の存在(p=0.01)、肺V20Gy 20%以上(p=0.008)が放射線肺臓炎と関連していた。

<結論>
・胸部食道がんに対する放射線治療において、3次元原体照射(3D-CRT)と比較して、強度変調回転照射(VMAT)では肺への低線量~中等線量の照射体積の増加が認められたが、これらと放射線肺臓炎との関連性はないかもしれない。


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