HPV関連上咽頭がん vs. EBV関連上咽頭がん vs. HPV関連中咽頭がん

  上咽頭がん

Huang SH, et al. Cancer. 2022. PMID: 35588085
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35588085/

・北米におけるヒトパピローマウイルス(HPV)陽性上咽頭がん
・エプスタイン・バーウイルス(EBV)陽性上咽頭がん、ヒトパピローマウイルス(HPV)陽性中咽頭がんとの比較


<背景>
・今回の研究の目的はヒトパピローマウイルス(HPV, human papilloma virus)陽性上咽頭がん(NPC, nasopharyngeal cancer)の臨床的特徴や治療成績をエプスタイン・バーウイルス(EBV)陽性上咽頭がん(NPC)、ヒトパピローマウイルス(HPV)陽性中咽頭がん(OPC, oropharyngeal cancer)と比較すること。

<対象と方法>
・2005-2020年の期間に強度変調放射線治療により治療が行われたウイルス関連性上咽頭がん(NPC)と中咽頭がん(OPC)の臨床的特徴や症状を比較し、T病期、N病期、喫煙、年齢、性別、組織型、診断時期により(1:1)にマッチングさせた。
・2005-2018年の最小経過観察期間2年間のコホートを用いて、局所領域制御(LRC, locoregional control)、遠隔制御(DC, distant control)、全生存(OS, overall survival)を比較した。
・コホート効果を評価するため多変量解析を行った。

<結果>
・ヒトパピローマウイルス陽性中咽頭がん(HPV-OPC)と同様に、エプスタイン・バーウイルス陽性上咽頭がん(EBV-NPC)と比較して、ヒトパピローマウイルス陽性上咽頭がん(HPV-NPC)(29例)の大半は白人患者であった(422例、86% vs. 15%; p<0.001)。
・エプスタイン・バーウイルス陽性上咽頭がん(EBV-NPC)と比較して、ヒトパピローマウイルス陽性上咽頭がん(HPV-NPC)では原発腫瘍の体積が大きく(体積中央値, 51 vs. 23 cm3; p=0.002)、Level IBリンパ節転移が多い傾向がみられた。
・エプスタイン・バーウイルス陽性上咽頭がん(HBV-NPC)では局所の疼痛を訴える患者が多かった(38% vs. 3%; p=0.002)。
・2005-2018年のコホートの経過観察期間の中央値は5.3年。
・ヒトパピローマウイルス陽性上咽頭がん(20例)の3年局所領域制御率(95% vs. 90%; p=0.360)、3年遠隔制御率(75% vs. 87%; p=0.188)、3年全生存率(84% vs. 89%; p=0.311)はエプスタイン・バーウイルス陽性上咽頭がん(EBV-NPC)(374例)と同等の成績であった。
・ヒトパピローマウイルス陽性上咽頭がん(HPV-NPC)の局所領域制御率(95% vs. 94%; p=0.709)および全生存率(84% vs. 87%; p=0.440)はヒトパピローマウイルス陽性中咽頭がん(HPV-OPC)と同等のものであった。
・ヒトパピローマウイルス陽性中咽頭がん(HPV-OPC)と比較して、ヒトパピローマウイルス陽性上咽頭がん(HPV-NPC)では遠隔制御率が不良であった(75% vs. 90%; p=0.046)。
・しかしながら、T病期、N病期、喫煙、化学療法により調整を行った場合、この差異は有意なものではなくなった(p=0.220)

<結論>
・ヒトパピローマウイルス陽性上咽頭がん(HPV-NPC)とエプスタイン・バーウイルス陽性上咽頭がん(EBV-NPC)は相互排他的である様子。
・エプスタイン・バーウイルス陽性上咽頭がん(EBV-NPC)と比較して、ヒトパピローマウイルス陽性上咽頭がん(HPV-NPC)では局所症状が強く、原発巣は大きいものの、治療成績は同等であった。


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