大きな乳房サイズの患者に対する放射線治療に伴う急性期皮膚毒性 ー 仰臥位 vs. 腹臥位 ー

  乳がん

Vesprini D, et al. JAMA Oncol. 2022. PMID: 35616948
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35616948/

・大きな乳房に対する放射線治療に伴う急性期皮膚障害
・仰臥位 vs. 腹臥位
・第3相ランダム化試験、NCT01815476、カナダ


<重要性>
・大きな乳房の患者では、アジュバント(術後)放射線治療に伴い急性期皮膚毒性の発生リスクが高い。
・腹臥位による照射は、急性期皮膚毒性を軽減できる治療戦略となるかもしれない。

<目的>
・乳房に対する放射線治療において、仰臥位の照射と比較して、腹臥位による照射により急性期毒性を軽減できるかを評価すること。

<対象と方法>
・2013年4月-2018年3月、カナダの5施設において、第3相ランダム化比較試験を行った。
・大きな乳房サイズの患者(bra band 40以上、Dカップ以上)の患者を仰臥位での照射を行う群(仰臥位照射群)と腹臥位で照射を行う群(腹臥位照射群)にランダム化した。
・合計で378例をランダム化した
・仰臥位群の7例(治療拒否 5例、同意撤回 2例)、腹臥位群の14例(治療拒否 4例、心臓への照射線量が許容不能 3例、腹臥位での姿勢保持不能 7例)を除外した。
・2019年4月から2020年9月にデータ解析を行った。

<治療介入>
・患者を仰臥位照射群と腹臥位照射群にランダム化。
・2013年4月から2016年6月の期間(167例)は、全例に対し50 Gy/25回 ± ブースト照射(10-16 Gy)の照射を行った。
・2016年6月に試験の改訂が行われ、以降は大半の患者(93.2%, 177/190例)に対して寡分割照射(42.5 Gy/16回)を行った。

<評価項目>
・主要評価項目:湿性落屑

<結果>
・357例を解析し、平均年齢は61歳(SD 9.9)。
・仰臥位照射 182例(51.0%)、腹臥位照射群 175例(49.0%)。
・腹臥位照射群と比較して、仰臥位照射群に湿性落屑の発生頻度が高かった(39.6% vs. 26.9%, OR 1.78; 95% CI 1.24-2.56; p=0.002)。
・多変量解析でも同様の結果であった(OR  2.71; 95% CI 1.48-2.66; p<0.001)。
・湿性落屑の他のリスク因子は、ブースト照射(OR 2.71; 95% CI 1.95-3.77; p<0.001)、通常分割照射(50 Gy/25回)(OR 2.85; 95% CI 1.41-5.78; p=0.004)、ブラのサイズ(OR 2.56; 95% CI 1.50-4.37; p<0.001)。

<結論>
・乳房に対するアジュバント(術後)放射線治療において、大きな乳房サイズの患者では、腹臥位による照射により急性期の湿性落屑を減少させることが確認された。
・ブースト照射や通常分割照射でも湿性落屑の発生リスクの上昇が認められた。


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