頭頸部がんに対する強度変調放射線治療の味覚障害

  頭頸部がん

Chen WC, et al. JAMA Otolaryngol Head Neck Surg. 2022. PMID: 35616981
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35616981/

・頭頸部がんに対する強度変調放射線治療(IMRT, intensity-modulated radiotherapy)に伴う味覚障害


<重要性>
・頭頸部がん(HNC, head and neck cancer)に対する放射線治療期間中および治療後では大半の患者に味覚障害(TD, taste dysfunction)が認められる。
・しかしながら、特に強度変調放射線治療(IMRT)が用いられる時代の、味覚障害(TD)に関する前向きのデータは少ない。

<目的>
・頭頸部がん(HNC)に対する強度変調放射線治療(IMRT)施行例の急性期および晩期の味覚障害を経時的に評価した。

<対象と方法>
・2017年8月-2020年11月、頭頸部がんに対し強度変調放射線治療(IMRT)により根治的照射/術後照射を行った患者を前向きコホート研究に組み入れた。
・2021年3月から2022年1月にかけてデータ解析を行った。

<治療介入>
・強度変調放射線治療(IMRT(± 化学療法)

<評価項目>
・味覚機能を whole-mouth solution method for 4 tastes(塩味、甘み、酸味、苦み)を用いて評価した。
・NCI/CTCAE v4.03 および Subjective Total Taste Acuity scaleを用いて主観的評価を行った。
・EORTC QLQ-H&N35を用いて患者報告成績を評価した。

<結果>
・合計で87例が登録された(男性 78例 [90%]、平均年齢 58歳 [31-80歳])。
・放射線治療期間中 91.9%(79/86例)、治療1週後 75.9%(63/83例)、治療3ヶ月後 33.3%(27/81例)、治療6ヶ月後 8.9%(5/56例)、治療1年後 6.7%(2/30例)に味覚障害(TD)の発生が認められた。
・客観的な味覚消失と4 taste qualities および subjective perceptionにおける味覚消失との正の相関が認められた。
・口腔の平均照射線量 40 Gy以上と治療3ヶ月後の味覚障害(TD)との関連を認めた。
・3ヶ月時点での味覚障害発生率を予測する口腔の平均線量は、15%(D15)25 Gy、25%(D25%)38 Gy、50%(D50)60 Gyであった。
・6ヶ月時点での味覚障害を予測する口腔の平均線量は、15%(D15)57 Gy、25%(D25)60 Gy、50%(D50)64 Gy。

<結論>
・今回のコホート研究では、放射線治療期間中や治療3ヶ月後時点では大半の患者に味覚障害の発生を認めた。
・長期にわたり味覚障害が持続する患者は比較的少数であった。
・頭頸部がん(HNC)に対する強度変調放射線治療(IMRT)施行例では、口腔への高線量の照射が味覚障害と相関していた。
・口腔への照射線量を低減することにより、強度変調放射線治療(IMRT)後、早期に味覚障害を改善できるかもしれない。


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