EGFR変異陽性非小細胞肺がんに対するチロシンキナーゼ阻害薬治療中の少数増悪 ー放射線治療とチロシンキナーゼ阻害剤継続の有効性ー

  非小細胞肺がん

Hu C, et al. Cancer Med. 2022. PMID: 35666038
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35666038/

・EGFR(epidermal growth factor receptor)変異陽性非小細胞肺がん
・少数増悪(oligoprogression)例に対するチロシンキナーゼ阻害薬(TKI, EGFR tyrosine kinase inhibitor)の継続と放射線治療の併用
・後ろ向き研究、中国


<背景>
・EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC, non-small cell lung cancer)患者では、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)治療中に抵抗性を来す。
・今回、進行期非小細胞肺がんにおいて、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)治療に少数増悪をきたした患者において、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)を継続し、放射線治療を併用した患者の治療の有効性を評価した。

<対象と方法>
・2011年1月-2019年1月、EGFR-TKI変異陽性の非小細胞肺がん患者で、少数増悪にたいし、チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)を継続し、放射線治療を併用した33例を評価した。
・主要評価項目:無増悪生存(PFS, progression-free survival)、全生存(OS, overall survival)。
・無増悪生存1(PFS1)はチロシンキナーゼ阻害剤投与開始から少数増悪を来すまでの期間、無増悪生存2(PFS2)は少数増悪を来した後、再増悪を来すまでの期間として評価した。
・全生存(OS)は少数増悪を来した時点から何らかの原因により死亡した時点までを評価した。

<結果>
・無増悪生存期間1(PFS1)の中央値は11.0ヶ月(95% CI 4.4-17.6)、無増悪生存期間2(PFS2)の中央値は6.5ヶ月(95% CI 1.4-11.6)、全生存期間(OS)の中央値は21.8ヶ月(95% CI 14.8-28.8)であった。
・単変量解析にて、EGFR変異のタイプ(p=0.024)、放射線治療の方法(p=0.001)、全身状態(PS)(p=0.017)が無増悪生存2(PFS2)と相関していた。
・単変量解析にて、性別(p=0.038)、喫煙歴(p=0.031)、EGFR変異のタイプ(p=0.012)、放射線治療の方法(p=0.009)が全生存と相関していた。
・多変量解析にて、放射線治療の方法(p=0.001)および全身状態(p=0.048)が無増悪生存2(PFS2)の予後因子で、放射線治療の方法(p=0.040)が全生存の予後因子であった。

<結論>
・EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)で、チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)治療中に少数増悪を来した患者に対する、チロシンキナーゼ阻害薬の継続と放射線治療の併用は有効。
・T790M陽性の患者では放射線感受性が高く、全身状態が良好で体幹部定位放射線治療により治療された患者では無増悪生存2(PFS2)および全生存(OS)が良好であった。


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