【STAMPEDE trial】遠隔転移を有するホルモン感受性前立腺がん ー 標準治療 vs. 標準治療+前立腺部に対する放射線治療 ー

  前立腺がん

Parker CC, et al. PLoS Med. 2022. PMID: 35671327
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35671327/

・遠隔転移を有するホルモン感受性前立腺がん患者に対する前立腺部への放射線治療
・ランダム化試験、STAMPEDE trial、最終解析結果


<背景>
・以前のSTAMPEDE試験結果の報告では、遠隔転移が少ない(low metastatic burden)患者では、前立腺部に対する放射線治療を行うことにより全生存(OS, overall survival)の改善が認められたが、多くの遠隔転移を有する患者(high metastatic burden)では前立腺部に対する放射線治療による全生存の改善効果はみられなかった。
・今回の最終解析では、主要評価項目である全生存の長期観察結果および副次評価項目である症候性局所イベント、放射線治療の毒性イベント、生活の質(QOL)の結果を報告する。

<対象と方法>
・2013年1月-2016年9月、英国およびスイスにおいて(1:1)の割合で、標準治療群(SOC, standard of care)1,029例と標準治療+放射線治療群(SOC+RT)1,032例にランダム化。
・1,939例で遠隔転移を分類でき、42%は遠隔転移が少ない群(low burden)、58%は多数の遠隔転移を有する群(high burden)に分類された。
・QOL評価:QLQ-30質問表を用いて、試験の2年間前向きにQOL評価を行った。
・患者の経過観察期間の中央値は61.3ヶ月。
・遠隔転移が少ない患者(low burden)では、前立腺部に対する放射線治療を行うことによる全生存の改善効果が認められた(標準治療群の死亡 202例、標準治療+放射線治療群の死亡 156例、HR 0.64, 95% CI 0.52-0.79, p<0.001)。
・多数の遠隔転移を有する患者(high burden)では、前立腺部に対する放射線治療を追加することによる全生存の改善効果は認められなかった(標準治療群の死亡 375例、標準治療+放射線治療群の死亡 386例、HR 1.11, 95% CI 0.96-1.28, p=0.164)(interaction p < 0.001)。
・症候性の局所イベント回避期間に有意な違いを認めなかった。
・Global QoLやQLQ-30 Summary Scoreに明らかな差を認めなかった。
・長期間にわたるグレード3の尿路毒性が標準治療群 10例、標準治療+放射線治療群 10例に認められた。
・長期間にわたるグレード3の消化管毒性が標準治療群 15例、標準治療+放射線治療群 15例に認められた。

<結論>
・遠隔転移を有するホルモン感受性前立腺がん患者において、遠隔転移が少ない(low metastatic burden)の患者では、前立腺部に対し放射線治療を行うことにより、生活の質(QoL)を損なうことく、全生存を改善させており、標準治療として推奨されるべきである。


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