前立腺がん、傍大動脈少数リンパ節転移に対する放射線治療

  オリゴ転移, 前立腺がん

Rich BJ, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2022. PMID: 35671868
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35671868/

・前立腺がん、傍大動脈リンパ節の少数転移(オリゴ転移)に対する放射線治療


<目的>
・前立腺がんで骨盤部リンパ節(LNs, lymph nodes)の少数再発(オリゴ再発)に対しては放射線治療による治療を行うことが可能。
・傍大動脈(PA, para-aortic)リンパ節(LNs)の少数転移再発に対しても放射線治療が有効な可能性がある。

<対象と方法>
・2015-2021年の期間に、傍大動脈(PA)領域の少数リンパ節転移再発に対して、予防照射を含めた通常分割照射により、標的内同時ブースト(SIB, simultaneous integrated boost)照射を行った患者を同定した。
・主要評価項目:Kaplan Meier法により推計した2年無増悪生存(PFS, progression-free survival)。
・無増悪生存(PFS)を傍大動脈リンパ節に対する放射線治療施行から最初のイベント発生までの期間と定義した。
・イベント:生化学的再発(治療後のnadir値からPSAの50%以上の症状 および 4 ng/mL以上への上昇)、治療の追加、画像的増悪 または 死亡と定義した。
・副次評価項目:2年生化学的無増悪生存(BFFS, biochemical failure-free survival)、2年全生存(OS, overall survival)、治療関連毒性

<結果>
・34例を組み入れ、年齢の中央値は66歳、82.4%の患者では前立腺全摘除術が行われていた。
・診断から傍大動脈領域へ放射線治療が行われるまでの期間の中央値は5.7年。
・傍大動脈リンパ節への放射線治療施行時のPSA値の中央値は3.15 ng/mL(IQR 1.30-5.90)。
・全例、傍大動脈領域へ45-50 Gy/25回の照射が行われ、転移リンパ節に対しては標的内同時ブースト(SIB)により中央値 62.5 Gy(範囲 60-62.5 Gy)の照射が行われていた。
・多くはX線により治療が行われており、21.1%の患者に対しては陽子線による治療が行われていた。
・大半の患者(97.1%)の患者ではアンドロゲン抑制療法(ADT, androgen deprivation therapy)が行われており、52.9%の患者に対してはアビラテロンの投与が行われていた。
・傍大動脈領域への放射線治療からの経過観察期間の中央値は21.5ヶ月。
・2年無増悪生存率は83.4%(95% CI 68.6-100%)。
・2年生化学的無再発生存率は90.4%、2年全生存率は100%。
・グレード3以上の急性期毒性の発生はみられなかった。
・10例(29.4%)にグレード2の急性期毒性が認められた。
・2例(5.9%)に慢性的なグレード3毒性が認められ、4例(11.8%)に慢性的なグレード2毒性が認められた。

<結論>
・前立腺がんの傍大動脈リンパ節に対する放射線治療に伴う毒性は低く、短期的な病勢制御の治療成績は有望なものであった。


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