手術可能I期非小細胞肺がんに対する体幹部定位放射線治療 vs. 肺葉切除術 ー 2ランダム化試験の統合解析 ー

Chang JY, et al. Lancet Oncol. 2015. PMID: 25981812
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25981812/

・手術可能I期非小細胞肺がん
・体幹部定位放射線治療 vs. 肺葉切除術
・2ランダム化試験のプール解析 (STARS: NCT00840749; ROSEL: NCT00687986).


<背景>
・手術可能なI期非小細胞肺がん(NSCLC, non-small-cell lung cancer)の標準治療は肺葉切除術と縦隔リンパ節郭清/サンプリング。
・手術不能なI期非小細胞肺がんでは、体幹部定位放射線治療(SABR, stereotactic ablative radiotherapy)の有望な結果が示されているが、手術可能なI期非小細胞肺がん(NSCLC)を対象とした2つのランダム化試験(STARS および ROSEL)は症例集積不良のため早期終了となった。
・今回の研究の目的は、体幹部定位放射線治療(SABR)と手術を比較したこれら2つのランダム化試験(STARS、ROSEL)のデータを統合し、全生存成績を評価すること。

<対象と方法>
・STARS および ROSEL研究の適格症例は、臨床病期 T1-T2a(<4 cm), N0M0、手術可能な非小細胞肺がん。
・患者を(1:1)の割合で体幹部定位放射線治療群(SABR群)と肺葉切除+縦隔リンパ節郭清/サンプリング群(手術群)にランダム化した。
・今回、これらの試験に登録された患者データを統合し、全生存を主要評価項目として評価した。

<結果>
・58例が登録され、ランダム化された;体幹部定位放射線治療群(SABR群)31例、手術群 27例。
・経過観察期間の中央値は、体幹部定位放射線治療群(SABR群)40.2ヶ月、手術群 35.4ヶ月。
・手術群では6例、体幹部定位放射線治療群(SABR)群では1例が死亡していた。
・3年全生存率:体幹部定位放射線治療群(SABR群) 95%(95% CI 85-100)、手術群 79%(95% CI 64-97)(HR 0.14, 95% CI 0.017-1.190, log-rank p=0.037)。
・3年無再発生存率:体幹部定位放射線治療群(SABR群)86%(95% CI 74-100)、手術群 80%(95% CI 65-97)(HR 0.69, 95% CI 0.21-2.29, log-rank p=0.54)。
・手術群において、1例に領域リンパ節再発、2例に遠隔再発を認めた。
・体幹部定位放射線治療群(SABR群)において、1例に局所再発、4例に領域リンパ節再発、1例に遠隔転移再発を認めた。
・体幹部定位放射線治療群(SABR群)において、3例(10%)にグレード3の治療関連有害イベントを認めた(胸壁痛 10%、呼吸苦/咳嗽 6%、疲労 および 肋骨骨折 3%)。
・体幹部定位放射線治療群(SABR群)にはグレード4以上の治療関連有害イベントや治療関連死を認めなかった。
・手術群では1例(4%)が手術の合併症のために死亡し、12例(44%)にグレード3-4の治療関連有害イベントの発生を認めた。
・手術群において複数の患者に認められたグレード3以上の有害イベントは、胸壁痛 15%、肺感染 7%。

<結論>
・手術可能なI期非小細胞肺がんにおいても、体幹部定位放射線治療は治療選択肢となり得る。
・症例サンプル数が少なく、経過観察期間も短期間であることから、体幹部定位放射線治療と手術を比較する追加のランダム化比較試験が必要。


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