【STAMPEDE】遠隔転移を有する前立腺がん ー 前立腺部に対する放射線治療は全生存を改善するか? ー

  前立腺がん

Parker CC, et al. Lancet. 2018. PMID: 30355464
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30355464/

・遠隔転移を有する前立腺がんにおける、原発腫瘍に対する放射線治療
・第3相ランダム化試験、STAMPEDE


<背景>
・従来の知見をもとに、遠隔転移を有する前立腺がん患者において、前立腺に対する放射線治療を行うことにより全生存を改善でき、遠隔転移負荷が少ない患者(low metastatic burden)で特にベネフィットが大きいと仮説をたてた。
・遠隔転移を有する前立腺がんにおいて、標準治療のみと標準治療と前立腺部へ放射線治療を比較した。

<対象と方法>
・スイス および 英国 117施設で第3相ランダム化試験を行った。
・適格症例:新規に診断された遠隔転移を有する前立腺がん
・(1:1)の割合で標準治療群(コントロール群)と標準治療+前立腺部への放射線治療群(放射線治療群)にランダム化を行った。
・層別化因子:施設、ランダム化時点の年齢、リンパ節転移、全身状態(WHO PS)、アンドロゲン抑制療法の予定、ドセタキセルの施行予定(2015年12月以降)、アスピリンやNSAIDSの定期的な使用
・標準治療は、生涯にわたるアンドロゲン抑制療法で、2015年12月以降はドセタキセルのアップ・フロントでの投与を許容した。
・放射線治療群では、前立腺部に対し55 Gy/20回/4週 または 36 Gy/6回/6週のスケジュールによる放射線治療を行った。
・主要アウトカム:全生存
・副次アウトカム:無再発生存、無増悪生存、遠隔無増悪生存、前立腺がん特異的生存、症候性の局所イベント回避生存
・Cox proportional hazards および flexible parametric modelを用いた解析を行い、層別化因子の調整を行った。
・遠隔転移負荷と放射線治療スケジュールのサブグループ解析を予め予定した。

<結果>
・2013年1月22日から2016年9月2日、2,061例の男性がランダム化された。
・コントロール群 1,029例、放射線治療群 1,032例。
・両群間のバランスはとれており、年齢の中央値は68歳(IQR 63-73)、PSA値の中央値は97 ng/mL(33-315)。
・367例(18%)の患者では早期にドセタキセルの投与が行われた。
・1,082例(52%)では55 Gy/20回(4週)、979例(48%)では36 Gy/6回(6週)の放射線治療が予定された。
・819例(40%)は遠隔転移負荷が低く、1,120例(54%)は遠隔転移負荷が高く、122例(6%)では遠隔転移の負荷が不明であった。
・標準治療群と比較して、放射線治療群の無再発生存が良好であった(HR 0.76, 95% CI 0.68-0.84, p<0.0001)が、全生存の改善効果はみられなかった(HR 0.92, 95% CI 0.80-1.06, p=0.266)。
・放射線治療の忍容性は良好で、RTOG grade 3-4毒性発生率は、放射線治療中 5%(48例)、放射線治療後 4%(37例)。
・CTCAE grade 3以上の高度の有害事象発生率は、コントロール群 38%(398例)、放射線治療群 39%(380例)と同定度であった。

<解釈>
・新規に診断された遠隔転移を有する前立腺がんにおいて、患者選択を行わない場合、前立腺部に対する放射線治療による全生存の改善効果は認められなかった。


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